第三章
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クモザルの手を食べ次のフジツボもだった、兎角ゲテモノと呼ばれるものを食べていって借金を返していき。
遂に完済した、そこで借金取りにおめでとうございますと言われてそのうえで彼にこうも言われた。
「これからは借金ではなく報酬としてです」
「ゲテモノをですか」
「食べるんですか」
「これで契約終了ですが」
借金を完済してというのだ。
「次はそうなりますが」
「遠慮します」
「私もです」
夫婦で即座に答えた。
「借金は完済したので」
「これで終わりにします」
「報酬いいですが」
借金取りは顔を顰めさせて言った夫婦に話した。
「それでもですか」
「そうした趣味の人にはいいと思いますが」
「私達は違いますから」
再び夫婦で答えた。
「ですから」
「もうこれで、です」
「そうですか、では契約更新はなしということで」
「お願いします」
「それで」
こう話してだった。
夫婦は借金取りと別れた、そして夫婦で借金完済を祝って店で適当に軽食を買ってビールで乾杯してだった。
飲んで食べた、そのうえで遠山は妻に言った。
「いや、借金完済出来てよかったけれど」
「ゲテモノを食べてね」
「ゲテモノを食べる位で完済はよかったよ」
「それはね」
「結構な額だったし」
その借金はというのだ。
「よかったよ、けれど」
「美味しかったか」
「そう思えるものばかりじゃなくて」
「気持ち悪いものもあったから」
「僕達にとっては」
どうにもというのだ。
「いいものじゃなかったね」
「そうだったわね」
「二度と」
夫は真剣な顔で述べた。
「したくないね」
「そうね、それは人それぞれね」
「本当にね」
こう言うのだった。
「少なくともだよ」
「私達にその趣味はないから」
「だからね」
それでというのだ。
「もう二度と」
「やりたくないわね」
「借金もそうで」
「ゲテモノを食べることも」
「両方ね、食べるなら」
夫はお寿司を食べてから言った。
「こうしたものだよ」
「本当にね」
妻はピザを食べて頷いた、そうしてだった。
夫婦で借金完済とゲテモノ食いからの解放を祝って喜んで飲んで食べていった、そこで口にするものはどれも美味しかった。
その頃借金取りは依頼主の資産家の話を聞いて言った。
「今度は深海魚をですか」
「召し上がられたいと」
「では試食の人にです」
「まずはですね」
「食べてもらいましょう、今度の方は借金以上にです」
「同じゲテモノ好きで、ですね」
「何よりです、では試食をしてもらいましょう」
こう言って食材を調達した、そのうえでそちらの仕事をしたのだった。
借金のかたに 完
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