第二章
[8]前話
今は真っ暗な夜の色の海に様々な色の星達が映っている、亜美はそれを見て慎吾に言った。
「海の方見て」
「どうしたんだ?」
「ほら、海がね」
そこに映っている星達を指差して言った。
「この通りね」
「あっ、夜空の星達が映ってな」
「凄く奇麗よね」
「ああ、凄くな」
「観光やデートのスポットでなくてもね」
「ふとした感じでだな」
「素敵なもの見ること出来るのね」
「そうだな、そうしたものなんだな」
「色々と巡って飲んで食べて」
実際に飲んだ後で話した。
「楽しむのもデートだけれど」
「こうしてふとな」
「そこにあるものを見て楽しむのも」
そうしたこともというのだ。
「デートよ」
「そうなんだな、ずっとな」
慎吾は亜美と一緒に橋から夜空を見つ続けつつさらに話した。
「デートっていうとな」
「一緒に色々な場所に行くことってね」
「俺達思っていたけれどな」
「二人でこうしてね」
「そこにあるものを見ることもな」
「デートよね」
「そうだな、それじゃあな」
「これからはね」
「ただ二人で歩くのもな」
「いいわね」
「夜だっていいしな」
今の時間帯でもというのだ。
「それで朝や昼もな」
「いいわね」
「デートって一口に言ってもな」
それでもというのだった。
「見るものは色々でな」
「楽しむこともね」
「色々だな」
「そうよね、それじゃあね」
亜美は慎吾にあらためて言った。
「スポットやお店を行く以外にも」
「ただ一緒にいてな」
「それで二人でね」
「そこにあるものを見てね」
「楽しむこともしような」
「そうしていきましょう」
「そうしていこうな、それとな」
慎吾は亜美の言葉に頷きつつあらためて話した。
「家まで送るな」
「いつも通り」
「ああ、それからな」
「貴方のお家に帰るのね」
「そうするよ、家まで送るのはな」
そうすることはというのだ。
「やっぱりな」
「絶対よね」
「俺のデートの考えだとな、それじゃあな」
「私のお家まで」
「送るよ」
「宜しくね」
亜美は笑顔で応えた、そうしてだった。
慎吾は自分の言葉通り彼女を家まで送ってから自分の家まで帰った、それからはデートではそこにあるスポットでも何でもないものも楽しむ様になった、そうしてだった。
二人は結婚してからも時間を見付けてはデートを楽しんだ、常にデートというものの奥の深さを楽しみ感じつつそうした。それが二人の恋愛であった。
星が映る海 完
2024・5・15
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