第二章
[8]前話
「熱いよ、この風なら」
「どうかな」
「もう我慢出来ないよ」
こう言ってでした。
穏やかですが熱い風を受けた旅人は暑くなってです。
服を脱いで傍にあった川に飛び込みました、そうして言うのでした。
「これで涼しくなったよ」
「そうそう、熱なんだよね」
太陽は北風と旅人を見て言いました。
「本当にね」
「そうだね」62
「そうだよ、だからね」
それでというのです。
「君もね」
「そのことがわかったからかな」
「よかったと思うよ、冷たいよりもね」
「暖かいだね」
「僕は光を出してね」
「僕は風だね」
「その違いはあるけれど」
それでもというのです。
「暖かいとね」
「人は服を脱ぐね」
「それだけでなく楽しそうだね」
「うん、寒い時よりもね」
北風は確かな声で答えました。
「そうなっているね」
「だからね」
「力でどうにかするよりも」
「それよりもだよ」
「暖かくだね」
「そうしたらいいんだよ」
笑顔で言うのでした。
「人も。そしてね」
「他のものでもだね」
「人以外の生きものに対しても物事に対しても」
「力よりもだね」
「暖かく」
そうしてというのです。
「やっていこうね」
「うん、わかったよ」
確かな顔で、です。北風は太陽に答えました。
「これからはね」
「暖かくだね」
「何もでもやっていくよ」
こう言ってでした。
北風は暖かい風を出す様にしました、すると誰もが北風の暖かい風に笑顔になってそうしてでした。
彼を太陽の様に好きになりました、北風はこのことを喜んでです。
尚更暖かい風を出す様になりました、そして太陽と一緒に誰からも愛される様にもなり人々はそんな彼の風に暖かさを感じていくのでした。
新説北風と太陽 完
2024・2・12
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