暁 〜小説投稿サイト〜
女王神との愛
第二章

[8]前話 [2]次話
「飲み食いも水浴びもしなかったが」
「親しくしたからですか」
「そのことがだ」
 どうにもというのだった。
「問題だ、そなたは冥界の者になってしまったぞ」
「死者と同じですか」
「死んではおらぬしこうして天界にも来られるが」
 それでもというのだ。
「住む場所はな」
「冥界ですか」
「そうなる」
 こう言うのだった。
「これからはな」
「そうなのですね」
「そしてだ」 
 エアはさらに言った。
「若しそなたが嫌と言ってもだ」
「あちらからですか」
「行って来る、そなたあの女神の性格を知っているのか」
「エレキシュガル女神の」
「あの女神は大層気が強くだ」
 そうであってというのだ。
「しかも愛情が深い」
「そうであるので」
「それでだ」
 そうした性格だからだというのだ。
「そなたの誘いを受けたならな」
「それならですか」
「かなりだ」
 こう言っていいまでにというのだ。
「惚れておる、だからな」
「私がここにいたくとも」
「冥界に入る様にな」
「言ってきますか」
「言うどころではない」
 エレキシュガルはというのだ。
「自ら攻め込んでだ」
「私を連れ戻すのですね」
「あの者から見ればそうなる」
「連れ戻しますか」
「そうまでしてだ」
 そのうえでというのだ。
「そなたを己がものにするぞ」
「そうですか、そこまで想われているのですか」
 父神の話を聞いてだった、ネルガルは笑った。そして言うのだった。
「ではです」
「それならか」
「望むところです」
「冥界に行くのか」
「そうしましょう」
「それでいいのだな」
「天界を行き来出来るのですね」
「死んだ訳ではないからな」  
 エアもそれは確かにと頷いた。
「左様だ」
「それならです」
「よいのだな」
「はい」 
 一言で答えた。
「それなら」
「そうか、まさかそなた」
「本気です」
 父神にまた一言で答えた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ