第三章
[8]前話
「従ってです」
「穀物の女神であるなら」
「それならです」
まさにというのだ。
「死のうともまたです」
「蘇るのですか」
「実った穀物が刈り取られ」
「また田畑に実る」
「それと同じです」
そうだというのだ。
「彼女も死のうともです」
「蘇りますか」
「そうです、彼女はそうした女神なのです」
「そうでしたか」
「若しです」
それこそというのだ。
「他の神ならです」
「蘇りませんでしたか」
「母上と同じです」
自分達の母である伊邪那美命と、というのだ。
「その時は」
「そうでしたか」
「しかし彼女はそうであるので」
「蘇る穀物の女神であるので」
「よかったです」
「それは何よりです」
「はい、しかしです」
天照大神はまた怒って言った。
「わかりましたね」
「はい、二度とですね」
「懲りてです」
そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「感情の赴くままに動かない」
「高天原で騒ぎを起こし」
弟神に対してさらに言った。
「追放されてこの度もですから」
「感情は抑えよ」
「そうです、そのうえでことを為していくのです」
「神として」
「海を司っているのですから」
「海を治める」
「そしてその恵を人に与えるのです」
こうも言うのだった。
「よいですね」
「わかりました、これからは気持ちを抑えます」
素戔嗚は姉神に恐縮して応えた、そして蘇った大気津比売に謝った、すると蘇った女神は生き返ったのでと笑顔で返して彼を許してだった。
あらためて素戔嗚に米や麦や豆を振る舞った、素戔嗚はその食事を心から楽しんだ、その時天照大神も一緒だったが。
食事が終わると天照大神は大気津比売と共に素戔嗚を送り出した、そして彼が八岐大蛇を倒したことを共に高天原で聞いて笑顔になった。その時の彼が落ち着いていたと聞いて。
死んだ神も 完
2024・5・14
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ