第一章
[2]次話
死んだ神も
素戔嗚尊は高天原を追放されることになった、だがこの時彼は空腹で食べものの女神大気津比売に食べものを求めた。
「何かないか」
「あります」
女神は素戔嗚にすぐに答えた。
「お好きなものを幾らでもです」
「出せるのか」
「お米も麦も豆も」
「全てか」
「五穀でしたら」
「そうか、ではだ」
それならとだ、素戔嗚は大気津比売に言った。
「出してくれ、そしてたらふくだ」
「召し上がられたいですね」
「うむ、すぐに頼む」
「わかりました」
大気津比売は素戔嗚に微笑んで応えた、そしてだった。
その場でだ、口と耳、目、鼻、そして下の前後からだった。
服を着たままであるがあらゆる穀物を出した、そのうえで素戔嗚に対して笑顔で言ったのであっや。
「幾らでも出せますがまずはこれだけでお食事を作りますね」
「馬鹿を言え」
素戔嗚は笑顔の大気津比売に怒って言い返した。
「口や鼻から出したではないか」
「それが何か」
「そんな汚いものが食えるか、ふざけるな」
「食べられますが」
「食えるか、わしを馬鹿にするな」
怒ってそうしてだった。
素戔嗚は感情に任せて女神を殴った、荒ぶる神の力は強く大気津比売は一撃で倒された。そして見ればこと切れていた。
女神が死んだのを見てだ、素戔嗚は冷静になりしまったと思った。
「まずい、またやったか」
「見ていました」
ここでだ、高天原からだった。
彼の姉である天照大神の声がした、そして黒く長い髪の毛で白い衣を身にまとった全身が眩く輝く切れ長の黒い目に長い睫毛と小さな赤い唇とやや面長の顔を持つ女神が素戔嗚のところに来て言ってきた。
「どうなるかと見ていれば」
「姉上、ご覧になられていたのですか」
「はい」
その通りという返事だった。
「一部始終」
「それはどうして」
「貴方の振る舞いを知っているからです」
「乱暴だと」
「それで高天原を追い出されたではないですか」
このことをむっとした顔で言った。
「母上がお亡くなりになられたことに悲しんで」
「実際に悲しくてですよ」
「私に会えなくて」
「それも嫌で」
「感情を抑えれないのは駄目です」
今度は怒った顔で話した。
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