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昔は夏だけだった
第二章

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「駆け出しの娘だけがして」
「下着になれば大騒ぎですね」
「そうだったんだ、アイドルの娘がね」
「今だとです」
 桐生は今の時代の話をした。
「夏でも冬でもですよ」
「何時でも水着になるね」
「それで駆け出しどころか」
「三十過ぎた地位のある女優さんでもね」
「若い頃水着になったままに」
 まさにそのままにというのだ。
「水着になってくれますね」
「下着にもね」
「もう下着は普通で」
 その姿でグラビアに出ることもというのだ。
「そして地位のある女優さんも」
「なるからね」
「普通に」
「そうなったよ、そして」
 山田はさらに話した。
「今は声優さんでもだよ」
「声優さんも普通に人気ありますからね」
「そう、それでね」
「写真集出しますね」
「僕の若い頃声優さんは人気が出て来た」
「その頃でしたか」
「それで写真集出したら」 
 この仕事の人達がというのだ。
「へえ、ってなってたんだ」
「そうでしたか」
「それで声優さんが水着になったら」
 グラビアの仕事をしてというのだ。
「かなりね」
「大騒ぎでしたね」
「そうだったんだ」
「そうでしたか」
「昔はね」
 そうだったというのだ。
「声優さんの水着写真集は大騒ぎだったよ」
「今じゃ普通にありますね」
「声優さんの写真集もね」
「そして声優さんが水着になることも」
「当然下着も」
「夏も冬も関係なくね」
「そうなりましたね、そして」
 桐生は山田に真顔で話した。
「三十路の声優さんも」
「今は水着になってくれるね」
「グラビアで」
「そうした時代だね」
「下着にも」
「お子さんがおられても」
 そうした声優さんでもというのだ。
「水着、下着にです」
「なってくれるね」
「はい、本当に」
「そうした時代だよ」
「今はそうですね」
「そうだよ、だからね」
 山田はここで苦笑いになった、そのうえで桐生に話した。
「今から会社に戻って」
「お仕事ですね」
「それをしよう」
「そうしましょう、コンビニ弁当食べたら」
「それからね」
 それぞれの手にあるコンビニ弁当とお茶を見た、そうしてだった。
 二人は自分達の会社に戻るとすぐにそのコンビニ弁当とお茶を食べて飲んだ、それから午後の仕事に入ったが。
 その仕事でだ、山田は桐生に会議室で二人で話した。
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