第一章
[2]次話
昔は夏だけだった
とある習慣漫画雑誌をコンビニの中で見てだった、サラリーマンをしている山田辰男は部下の桐生臣吾に言った。
「昔は水着は夏だけだったのにね」
「ああ、グラビアは」
「そうだったんだよ」
大学を卒業して入社三年目の桐生に言った、桐生は一八〇近い痩せた身体で丸い澄んだ目をしていて黒髪は短い。面長で顎が出ている。それに対して山田は一七〇位のがっしりした体格で髪の毛は前からなくなっていて丸い顔で切れ長の目と大きな口を持っている。今は部長である。
「僕の若い頃は」
「そうだったんですね」
「学生時代もね」
「グラビアは、ですか」
「水着はね」
それはというのだ。
「本当にだよ」
「夏だけですか」
「そうだったんだ、それにね」
山田はコンビニを出て桐生に共に会社に歩いて戻る中で話していった、オフィス街はスーツや制服の人達が行き交っている。
「水着になるのは若いね」
「駆け出しのアイドルですか」
「そうした娘がなってね」
水着姿にというのだ。
「注目されてね」
「人気が出るんですね」
「そうだったんだよ」
「昔はそうだったんですね」
「これがね」
「今と違って」
「そうだったんだ」
「今は夏でも冬でもで」
桐生は話した。
「それこそ何時でもですね」
「水着になるね、あとね」
「あと?」
「下着になったら」
グラビアでというのだ。
「大騒ぎだったよ」
「いや、下着なんてグラビアだと」
桐生は今の常識から話した。
「別にです」
「普通だね」
「はい」
その通りだと答えた。
「もう」
「結局水着でも下着でもね」
「露出は同じですね」
「そうだしね」
「もうグラビアで下着になっても」
桐生はそれこそと答えた。
「水着とです7」
「同じだよ」
「全く以て」
「そうだけれどね」
それがというのだ。
「昔はアイドルの娘がグラビアで下着になったら」
「大騒ぎでしたか」
「大胆とかね」
その様にというのだ。
「言われていたんだ」
「そうでしたか」
「僕が入社した時も」
その時もというのだ。
「そんな風だったよ」
「そうですか」
「だからそれも写真集の売りになったんだ」
「あの娘が下着になったって」
「そうね」
「そうだったんですね、昔は」
「水着は夏だけでね」
この季節限定でというのだ。
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