第78話「彼は、まさか…」
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
く、ガミラスには優秀な指揮官がいる。「宇宙の番犬」という異名を持つ、ドメル将軍の後継を筆頭とした優秀な指揮官がだ。
ガミラスには、地球よりも基盤がある。
デスラー体制が崩壊したとはいえ、その基盤は崩れることはない。もしもガミラスに「時間断層」が付与されたなら、ガミラス版の波動砲艦隊を作り上げることだって不可能ではない。
地球が裏では警戒しているように、ブリリアンスもまたガミラスを警戒しているのだ。
一瞥していたダークネス卿がテレサを見つめようとした、その時だった。テレサが彼女の背後を見つめると、言葉を紡ぐ。
「彼もまた、”縁”で結ばれている一人」
彼も、とは…。
ダークネス卿は振り返る。先ほど薄っすらと聞こえた「彼女もその一人…」は、自分の事だろう。此処に集っているのは、”縁”によって結ばれた者達だ。地球、ガミラス関係なく。それと、ブリリアンス。
”縁”に呼ばれた者が、まだいるというのか。
それはいったい、何者なのか。
ダークネス卿だけではない。
その場に集う誰もが、扉口にその視線を投げていた。
足音が聞こえる。
それはゆっくりながらも、近づいて来ている。靴音が、次第に大きくなってきている。
通路の奥の闇が形となる、人間。
やがて、その姿の全貌が現れた。
瞬間、その場にいる誰もが驚愕の色を浮かべた。ただ一人、高次元生命体であるテレサだけは、見た通りです、と静かに口ずさむ。
現れたのは、一人の男だ。赤い裏地の黒いマントを微風に靡かせ、整った金髪を有する青肌の貴人。ダークネス卿を筆頭としている者達が驚愕しているのは、男がただのガミラス人ではないからだ。
いや、それは当然だ。しかし、それだけで驚愕している訳ではなかった。彼はあの時、死んだ筈だ。それが何故、五体満足な状態で生きている…。
目を見開いている一同に、その男は不敵な笑みを浮かべる。
「―――久しぶりだね、〈ヤマトの諸君〉」
その男の正体は、アベルト・デスラー総統その人だった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ