第78話「彼は、まさか…」
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古代達は振り返る。今し方、潜ってきた扉へと。
足音が聞こえる。
それはゆっくりながらも、近づいて来ていた。靴音が、次第に大きくなってきている。
通路の奥の闇が形となる、人間。
やがて、その姿の全貌が現れた。
長い黒髪。
黄金に輝く瞳を持ち、猫のような縦長。
鈍い光沢を放つ漆黒の鎧を身に付け、靡かせる真紅のマントには二丁の大釜を交差させていた。
美女である。
しかし、彼女を見るだけで肌寒くなってしまうのは何故だろう。あれは、何者だ…? 喜悦の色を浮かべる彼女は、口元を歪めていた。
「初めまして、テレサ。それに、〈ヤマト〉の諸君。会えた事、誠に光栄の至りだ」
………
……
…
視線を受けている、ダークネス卿は歓喜していた。遂に、テレサと邂逅出来た。伝説の存在にして高次元生命体、テレサ。
「……」
ダークネス卿はテレサより、〈ヤマト〉のメンバーを一瞥する。
封印岩盤の破壊。
これは、〈ヤマト〉なくして達成することが出来なかった事だ。一時的にとはいえ艦隊を引き上げたのも、自分達で成し遂げることが非常に困難だったから。
しかし、〈ヤマト〉は成し遂げた。短い時間ながらも〈ヤマト〉は、《艦内工場》で生産した爆弾で《テレザート》を解放してみせた。
自分の艦―――ヴェネター級《ダークネス》をヤマト直上に位置してしまったのは、心が痛い。しかしそれは、カッコよく登場する為には仕方なかったのだ。
〈ヤマト〉には、後で謝罪しておこう。覚えていればだが。
自分が率いていた艦隊は、テレザート星の衛星軌道上に展開してある。第十一番惑星の件のように250万隻の超大規模艦隊が来られれば敗北だが、ゴーランドが引き連れた規模の艦隊であれば負けることはない。
それは、惑星シュトラバーゼに現れたガミラス解放軍も同様だ。
そうだ。そのガミラスといえば、今いるではないか。ダークネス卿は、キーマン中尉を一瞥する。〈ヤマト〉のアドバイザーである彼もまた、〈ヤマト〉のクルーと同じくテレサのメッセンジャーを見たのだろう。
メッセンジャーを受け取った〈ヤマト〉が反乱したのに対し、キーマン中尉の場合は正式な手続きで〈ヤマト〉に派遣された。
その彼がいるとならば正規軍の艦隊も来ることだろうが、そういった情報は一切ない。来たとしてもテレザート星の土を踏ませないつもりではあったが、ガミラスは同盟国。
ダークネス卿は爽やかな笑みを浮かべる中、内心で警戒する。
そのガミラスはブリリアンスより戦力が下であるが、油断は出来ない。波動砲と同理論の「デスラー砲」なるものを独自で研究、特一等艦限定であれど搭載出来ている。
それだけじゃな
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