第97話 深夜の誘惑
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してかクローゼさんはちょっと悲しそうな顔をしていた。
「す、すみません!俺なんかが馴れ馴れしく親友なんて言ったりして……」
「あっ、違います!そう言う事じゃないんです!ただその……親友って聞いてどうしてか胸が痛くなって……あの……その……」
段々と声が小さくなるクローゼさん、後半は全く聞こえなかったぞ。
「……あの、一つだけお願いをしても良いですか」
「はい、俺に出来る事なら」
「なら抱きしめて頂けませんか?」
「……えっ?」
俺はクローゼさんからのお願いを聞いて目を丸くしてしまった。
「えっと、どうしてですか?」
「その、勇気を貰いたいんです。それとも私を抱きしめるのは嫌ですか?」
「そ、そんなことないです!クローゼさんが良いって言ってくれるなら喜んで!」
「じゃあお願いします」
クローゼさんは腕を広げてそう言ったので俺はオズオズと彼女を抱きしめた。
「んっ……」
(や、柔らかいし良い匂いがする……)
クローゼさんの背中に手を回して彼女を抱きしめた。クローゼさんは俺の胸に顔を寄せて目を閉じている。彼女の柔らかさと花のような良い匂いが伝わってきて凄く緊張するな……
(……こんなにも安心して幸せな気持ちになれるなんて……リィンさん、私やっぱり貴方の事が……)
それから1分ほど抱きしめて俺達は離れた。
「えっと……どうでしたか?」
「ふふっ、凄く安心しました。フィーさんやラウラさんが羨ましくなってしまうくらいに」
「そ、それはよかったです」
クローゼさんの微笑が綺麗で緊張してしまう……俺にはフィーとラウラがいるんだ、しっかりしろ、俺!
「リィンさん、もしこれからも不安を感じてしまったら甘えても良いですか?」
「えっ?……も、勿論ですよ!いつでも頼ってください!」
クローゼさんは真面目だから深い友情を育んだエステルやフィーには相談しにくいんだろうな、そうでなければ俺に甘えようとなんてしないだろうし。
「それと私の事はクローゼって呼んでいただけませんか?敬語も大丈夫です」
「いいんですか?」
「ええ、リィンさんは親友ですので壁を作られたら悲しいです」
「……分かった、じゃあお言葉に甘えてクローゼって呼ぶよ」
「はいっ、お願いしますね」
こうして俺はクローゼと友情を深めることが出来た、元気になってくれたのなら良かったよ。
それから俺はクローゼをホテルに送ると自分は戻らずにもう少し町を歩くことにした。
「それにしてもクローゼってやっぱり美人だよな。フィーが愛らしい、ラウラが凛々しいならクローゼは気品のある美しさを感じるんだよな……」
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