第97話 深夜の誘惑
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を見せる。
「もしかして眠れないんですか?俺もそんな感じで散歩をしているです」
「そうなんですね……私も目が覚めてしまって少し夜風に当たりたくて外に出たんです」
やっぱりクローゼさんも眠れなかったんだな、昼間は凄く悩んでるみたいだったし。
「……やっぱりハーメルの件ですか?」
「……はい」
俺の問いにクローゼさんはコクッと頷く。
「私、ずっとお婆様の事を尊敬していました。何年もリベールを統治してエレボニアやカルバートとも渡り合い国を守り続けてきたその姿は誇らしくていつかあんな女王に私もなりたいって思っていたんです。でも今回の話を聞いてお婆様も非情な判断を下したことを知り私は女王になれるのか不安になってしまったんです」
「クローゼさん……」
「もし私が女王になった際、そう言った決断を迫られたら私は正しい選択が出来るのか……間違えてしまいこの国を危機に晒してしまうのではないかって思ってしまって……馬鹿みたいですよね、まだ正式に私が王位に就くと決まった訳ではないのに勝手にこんな事を考えたりして……」
そう苦笑するクローゼさんだが内心は潰れそうなくらい不安なんだろう。
国を守るという事は時には何かを切り捨てなければならないときも来るだろう、強国と渡り合っていくなら猶更だ。
「……クローゼさん、俺は貴方の苦悩を理解することはできない。国を背負う立場の重みはきっと想像もできないくらいに重く大きいモノだと思います」
「……」
「だからもし貴方が女王になって選択をして万が一間違えてしまったらその責任を一緒に背負わせてください。俺に出来る事があるなら力になるしもしつらいと感じたらいつだって駆けつけます。例え世界から狙われる事になっても俺は貴方を味方しますよ」
「リィンさん……」
俺は無責任だけどそう言った。
結局最終的に決めるのは彼女だ、相談には乗れてもそれ以上は何もできない。だから俺はクローゼさんが選択した結果で間違いを犯してしまったなら一緒に背負っていくと話した。
たとえ俺に不利益になる事になっても俺はクローゼさんの味方であり続ける。
「すみません、こんな答えしか出せなくて……」
「……いえ、凄く嬉しいです。気持ちが少しだけ楽になりました」
クローゼさんはそう言ってニコッとほほ笑んでくれた。
「本当に何があっても私の味方であり続けてくれますか?」
「はい、約束です。俺にとって貴方は大切な親友ですから」
俺はそう答えた。最初はフィーの面倒を見てくれた感謝の一面もあった、でも今は純粋にクローゼさんを親友だと思ってるし力になりたいと思っている。
「親友ですか……」
でもどう
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