第97話 深夜の誘惑
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すのを止めて俺の顔を見る。
「僕はあくまで調べただけだけどエレボニア帝国は何度もそういった血生臭い負の歴史を歩んできた、貴族としてそういった歴史があったことは学んできたからある程度の覚悟はできていると思っていたんだ。でも実際に犠牲になった人の怨嗟の声を聞いたらショックが大きかったよ……」
オリビエさんは自虐するように苦笑してそう呟いた。
「今エレボニア帝国は激励の時代になりつつある。リィン君は知ってるかい?貴族派の中には新たな兵器などを開発しているという噂があるんだ、革新派もそれに向けて動きを進めている。僕の予想では数年に内に大きな争いが起こると思っている」
「……団長もそういった匂いがするって言っていましたね」
オリビエさんは数年以内でエレボニアで大きな事が起こると予想しているみたいだ。団長もそう言った空気を長年の感で感じ取っているし俺も何となく何か起こるんじゃないかと思っている。
「僕としてはこのまま面白おかしく過ごせればいいんだけどそうもいかないのが人間なんだよね」
「……」
「ハーメルの話を聞いて改めて思ったよ、僕はやはり動かないといけないんだって」
「オリビエさん、まさか貴方は……」
俺はオリビエさんの正体に何となく気が付いたような気がした、でも最後までは言わなかった。
「……もし貴方が困ったことがあるなら俺も力になりますよ」
「えっ?」
「貴方の事は正直苦手ですけど、悪友くらいにはおもっていますから」
照れくささを隠しつつ俺がそう言うとオリビエさんは一瞬ポカンとした顔を見せたが直ぐにそれを消して笑い始めた。
「はははっ……もしかして僕ってば本当にリィン君の好感度カンストさせちゃったかな?」
「初めて入った村で出会った村人Aくらいの好感度はあるんじゃないですか?」
「いやそれほぼ初対面!?」
俺がシレッとそう言うとオリビエさんはツッコミを入れた。
「まあまずはリベールでやるべきことを終わらせないとね。僕はこの国が好きになったから最後まで見届けたいんだ」
「それは同感です。お互い頑張りましょう」
俺はそう言ってオリビエさんと別れた、そして山道から町に戻ってくるとクローゼさんが飛行船の発着場に入っていくのが見えた。
「クローゼさん、こんな時間にどうしたんだろう?もしかして俺みたいに眠れないのか?」
こんな深夜に女の子が一人で外を歩くのはちょっと心配だな、俺はクローゼさんの後を追い発着場に向かった。
幸いクローゼさんは発着場入り口の近くにある街路樹の側にいた。
「クローゼさん、こんばんわ」
「えっ、リィンさん!?」
俺が声をかけると彼女は驚いた様子
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