第29話:無視された聖剣
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、そこのドワーフの……
あれ……
私……
セツナに指摘されるまで、ユーミルがドワーフの王女だって事に気付いていなかった事になるんですけど!
……長老にバレたら、私の勘の鈍さに対して説教をたれるんだろうなぁー……
ああ、憂鬱だ……
セツナperspective
あのクズセインがウンコクズだって事は知っていた心算だったが、とうとうドワーフまで敵に回したのか……
これでウンコセインが魔王の討伐に成功してみろ、ドワーフ共が暴動を起こすぞ!
ここはやはりオーサムでウンコセインを待ち伏せして正解だったか?
ただ……問題は……
「何を言ってんだ!セイン様は、魔王を倒して世界を救う勇者様だぞ!」
「じゃあ何か!?ドワーフが勇者セインに暴行されて連行されても、儂は指を銜えて観ていろと言うのか!?」
大方の予想通り、ノノとユーミルが口論となった。
勿論、両者は譲らない。
「そう言う見当違いな想定が出てくる時点でもう違う!セイン様がドワーフを暴行する。そんな存在しない記憶に縛られてどうする!?」
「有るわ!勇者セインがバゼルフを誘拐した証拠がな!」
「それは、アンタの存在しない記憶の中にしかないの!」
「だったら、これを視ろ!」
ユーミルが鞄から取り出したのは、使い古された金床。
「その重しが何だって言うんだよ!?」
「いくら何でも物を知らな過ぎだろノノ!それは金床と言ってな、熱した鉄を叩いて伸ばす時に使う土台だぞ!」
が、そこでツキツバが反応してしまう。
「そなた、鍛冶職人か?」
「そうじゃ!儂らドワーフと言えば鍛冶だろ!」
「その歳で目標を立てて行動しているとは、天晴です」
あれ?
『この歳で』と言う事は……
「で、そのどわーふとは何なのですか?」
やっぱりねー!
久々だからすっかり忘れてたわ!
「儂らドワーフを知らぬだと!?何なんじゃこいつは!?」
「すまない……信じないかもしれんが、こいつ、異世界から来たんだ」
「で、こいつは儂らドワーフが居ない世界から来たと?そっちの方が存在しない記憶だろ!」
「怖い事を申すな!」
「すまんツキツバ、ドワーフについては後で説明するから―――」
「ツキツバ!?」
あ。
しまったぁー!
そうだった!こいつの目的はツキツバとウンコセインを激突させる事だった!
「そなたが……本当にツキツバ・ギンコなのか!?」
「あのぉー、それよりその金床が証拠の意味を説明して欲しいのですが―――」
「お願いですツキツバ・ギンコ!儂の師であるバゼルフの奪還に力を貸してくれ!」
……駄目もとで言ってはみたものの、やっぱり私の言葉は無視されてる。
「先ずは、ツキツバの力が必要な理由の説明!」
「おっと、そうであったな」
「……しっかりしてくれよ」
すると、ユーミルが
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