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夢幻水滸伝
第三百六十二話 戦のタイムリミットその七

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「移動の術で即座でもです」
「わいがサインしてな」
「予算が出るまでは」
「そやな、想定より遥かにな」
 トウェインは難しい顔で述べた。
「燃料も弾薬も予算もな」
「使っていますね」
「予想の何倍もな」
 そこまでというのだ。
「使ってるわ」
「その全てを」
「それこそな」
 トウェインは難しい顔のままさらに言った。
「戦は何でも想定より消費する」
「そう考えて用意しましたが」
「今回の戦はな」 
「その想定よりもですね」
「何倍も使ってるわ、これが総力戦か」
 難しい顔のままこうも言った。
「しかも星のモンがそれぞれ同じだけおって」
「神星の方もですね」
 エリカが続いた。
「それぞれおられる」
「しかも六将星っていう武に秀でたな」
「そうした戦ですね」
「そやな」 
 まさにというのだ。
「桁外れに激しい戦になってな」
「あらゆるものの消費もちゃいますね」
「桁がちゃうわ」
「そうですね」
「そや」
 そうした状況だというのだ。
「ほんまな」
「それで、ですね」
「想定より遥かにや」
「あらゆるものの消費が激しいです」
「このままいくとな」 
 トウェインは声をこれ以上ないまでに苦いものにさせて言った。
「ほんまあと六日でや」
「戦えへん様になりますね」
「初日から物凄い消費しててな」
 燃料も弾薬も軍事費もというのだ。
「それでや」
「初日から消費が凄まじく」
「それでや」
「このままいくとですね」
「あと六日や」
 それだけだというのだ。
「戦えるのはな」
「タイムリミットは」
「それ以上はな」
「無理ですね」
「まずどの様な軍隊でもお金ですからね」
 ミッチェルは真剣な顔でこの現実を指摘した。
「そうですさかい」
「お金がないとな」
「それで、ですね」
「もうな」
 それこそというのだ。
「戦えへん様になるわ」
「左様ですね」
「金や」 
 トウェインは軍事費をこうも表現して言葉に出した。
「ほんまな」
「お金が一番大事ですね」
「それこそ借金しててもな」
「行いますね」
「それで後大変なことになった例も多い」
 日露戦争後の日本にしても二次大戦後までこの戦争での国債を返済していた、とある日本の歴史学者が言ったこの戦争での勝利で日本は戦争をすれば儲かると錯覚したという主張が大きな間違いであることはこのことでわかる。
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