第三十二話 大阪の野球その六
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「言われるんですね」
「そうです、ただ口が悪い」
「ツンデレであるだけですね」
「そうです」
まさにというのだ。
「その実は」
「そうですか」
「そして南海にとって」
「外せない人ですね」
「離れることになりましたが」
監督まで務めたがだ、彼と南海球団の関係は何かとあったのだ。だが晩年はホークスのイベントに何回のユニフォームを着て出たこともある。
「しかし何といってもです」
「南海にとってはですね」
「忘れられない」
そうしたというのだ。
「偉大な選手の一人です」
「あの、南海におられて」
佐京はそれでとだ、幸雄に言った。
「大阪球場が本拠地なら」
「このなんばパークスの前にこちらにあった」
「難波の街も」
「歩いておられました」
「そうですね」
「それもいつもです」
「そうですね」
「中百舌鳥の方にもです」
「よく行かれたんですね」
「あちらに二軍があったので」
「それで、ですね」
「そうでした」
まさにというのだ。
「あの人も」
「そうでしたね」
「根場は色々な人がいました」
「吉本の人もですね」
「グランド花月がありますから」
吉本の劇場である、まさに難波の象徴の一つと言っていい場所だ。
「あちらの芸人さん達もです」
「よくおられて」
「今も。そして」
幸雄はさらに話した。
「南海の人達も。作家の人達もです」
「織田作之助さんですね」
「あの人もです」
「難波をよく歩いていましたね」
「毎日の様に」
それこそというのだ。
「あちらを歩いていて自由軒のカレーをです」
「食べていたんですね」
「そして法善寺横丁まで行って」
そのうえでというのだ。
「夫婦善哉で」
「善哉も食べていましたか」
「あと今はもう船場の方に後継のお店が出来ましたが」
そうであるがというのだ。
「いづも屋もあったので」
「鰻ですね」
「そちらもです」
「織田柞さんは食べていましたね」
「それでよくです」
「あの辺りを歩いていたんですね」
「あちらは南海、吉本の場所で」
そうであってというのだ。
「織田作さんもです」
「おられて」
「あの人の場所でもあります」
「そうですか」
「もっと言えば藤山寛美さんもです」
この今では伝説となっている人物もというのだ。
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