第二十九話 手は組まないがその五
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「そのクエルボの悪意もだ」
「まだましだね」
佐久間もこのことはわかった。
「本当に」
「そう思う、クエルボの悪意はまだ弱い」
そうだというのだ。
「今思うとな」
「何ていうかね」
ここででだ、アムは鳳にこう述べた。
「そのクエルボって人はまだね」
「悪意に支配されてもだな」
「ジニスと比べても」
自分達が戦った敵と、というのだ。
「まだね」
「悪意が弱いな」
「ええ、そしてそのジニスよりもね」
アムはさらに話した。
「私達がこれから戦う相手は」
「悪意が強いな」
「はっきりと感じるわ」
そのことをというのだ。
「本当にね」
「そうだな」
「ええ、これはね」
実にというのだ。
「そう思うわ」
「悪意にもレベルってあるからな」
セッちゃんも言ってきた。
「それでクエルボってのは悪意があってもな」
「まだましだったな」
「ああ、ジニスってのは強くても」
「ダグデド達位じゃないな」
「そうみたいだな、とびきり悪い奴等はな」
それこそというのだ。
「ダグデド達のことを言うな」
「まさにな」
「だからな」
そうであるからだというのだ。
「隙は見せられないしな」
「全力で向かわないとな」
さもないと、というのだ。
「少しでも間違えたらな」
「奴等に隙を与えてな」
「そこから悪意で仕掛けられてな」
「とんでもないことにもなる」
「そうだな」
鳳はその通りだとだ、セッちゃんに答えた。
「だから何時出て来るかわからないが」
「もうドクターマンギアの連中をいつも傍に置いてるだろ」
このことをだ、セッちゃんは指摘した。彼もまた用心しているということを当然だとみなしての私的である。
「そうだろ」
「そうしているわ」
仲村が答えた。
「もうね」
「やっぱりそうか」
「あの人もそろそろ来ると思って」
それでというのだ。
「南極の基地からね」
「ギアの連中を呼んでか」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「備えているわ」
「当然だな」
「ああ、そうだな」
鳳はセッちゃんに続いた。
「何時来るかわからない相手だ」
「それもそろそろって考えた方がいいな」
「だからな」
それでというのだ。
「ドクターマンもだ」
「何時来るかわからないな」
「だからだな」
「備えていて正解だぜ」
セッちゃんは言い切った。
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