第二十九話 手は組まないがその三
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「そこはちゃんと言うわ」
「違うって」
「そうよ、しかしね」
「しかし？」
「ドクターマンもよね」
ソノゴは彼のことも話した。
「人間と戦ったけれど」
「悪意はあったか」
「邪悪さがね」
それがというのだ。
「なかったでしょ」
「ええ」
鬼頭はその通りだと答えた。
「私もそう思うわ」
「迷惑をかけたことは事実よ」
自分でもこのことを認めた。
「確かにね。けれどね」
「世界を壊そうとか」
「そして誰かをね」
悪意を以てというのだ。
「悪意で何かしようとはね」
「していなかったわね」
「そうよ」
実際にというのだ。
「本当にね」
「私もわかるから。悪意があるかどうか」
「悪意があればだ」
ハイドは苦い顔で話した。
「ドレイク達とはだ」
「決定的に違うな」
アグリが応えた。
「プラジアは」
「そうだな」
「ああ、俺もそう思う」
アグリはハイドに真面目な顔で答えた。
「ドレイク達は悪意はあってもな」
「強くはなかったな」
「決してな」
「仲間意識もあるな」
「あいつ等もな」
「しかしプラジア達にはない」
一切というのだ。
「本当にな」
「仲間意識もな」
「そして自分しかなく平気で裏切るしな」
「自分の為には何でもする」
「そうした連中だ」
「悪意をこれ以上はないまでに出してな」
「若しドクターマンに悪意があれば」
その場合についてだ、空蝉丸は考えて言った。
「大変でした」
「そうそう、もうね」
風花もまさにと続いた。
「ドクターマンに悪意があったらギアもね」
「遥かに恐ろしい組織になっていました」
「それで最後は敗れても」
「恐ろしい災厄となっていました」
「本当にそうね」
「想像するだけでも尾曽かしい様な」
「そんなこともしていたわよ」
ギアはというのだ。
「牙鬼軍団もそこまではしなかった様な」
「デーボス軍にしましても」
「いや、九右衛門ってあれで守るべきところは守っていたのね」
風kはあらためて思った。
「そうだったのね」
「カオスもですな」
「ええ、踏み外してはいけないものはね」
「踏み外していませんでした」
「それだけでね」
「全く違いますな」
「そうよね」
こう空蝉丸に述べた。
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