第二章
[8]前話
「大きな勝利になっていたよ」
「そうだったわね」
「完封だったし」
その勝ち方だったからだというのだ。
「尚更に」
「そうね、けれどね」
「土壇場で追いついて」
「延長戦で打って勝ったから」
「カープにだよ」
千佳が愛するこのチームにというのだ。
「流れが傾いたよ」
「そうね」
「そうした勝利だから」
それ故にというのだ。
「シーズン終わってから振り返ると」
「今日がターニングポイントだった」
「そう言えるかもね、ただね」
ここで千佳は眉を顰めさせて言った。
「巨人も往生際悪いから」
「そうだね、優勝するのが普通とかね」
寿も否定せずに答えた。
「思い上がっていて」
「それでよ」
「優勝目指すから」
「それで戦力もあるから」
非常に忌々しいことにだ。
「だからね」
「諦めないでね」
「悪あがきをするから」
だからだというのだ。
「本当にね」
「まだわからないね」
「そうよ、けれど大きな勝利であることはね」
「事実だね、じゃあ今年は」
「最後まで頑張るわ」
「次は阪神だけれどね」
ここで寿は笑って言った。
「こっちもまだだよ」
「諦めてないの」
「最後の最後までだよ」
それこそというのだ。
「諦めないよ」
「巨人みたいに」
「連覇目指してるから」
だからだというのだ。
「諦めないよ」
「それなら全力で戦うからね」
「望むところだよ、逆転優勝だ」
「このまま優勝よ」
兄妹で言い合う、そして一緒に牛乳を飲んだ。そうしてそのうえでそれぞれの部屋に戻って勉強をしたのだった。
ターニングポイントは今日の試合 完
2024・8・26
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