第七百六十五話 感謝されずともその七
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「下座においてです」
「食べるものですね」
「特別な。お葬式を取り仕切るか」
「僧職の人でないとですね」
「ご遺族の人達以外はです」
「はい、上座にはです」
絶対にというのだ。
「まともな人は」
「上がらないですね」
「常識です」
そう言っていいことだというのだ。
「まことに」
「そうですね」
「心から思います」
「ご遺族の人にご自身が苦境に陥っていたので」
「すがる為にですか」
「ご機嫌取りで」
それを狙ってというのだ。
「そうしたことをしました」
「そうでしたか」
「その苦境もです」
「自分が蒔いたことですね」
「あまりにも何もせず悪いことしか言わないので」
そうであってというのだ。
「居場所をなくしていたので」
「すがるつもりで」
「そうしました」
「醜いですね」
ラメダスはここでこの言葉を嘆息する様にして言った。
「まことに」
「そうとしか言えないですね」
「無作法、無分別であり」
「醜悪ですね」
「その浅ましさが」
「そしてやはりです」
「すがってもですね」
そうしてもというのだ。
「断られましたね」
「そもそもご家族が亡くなったばかりの人にです」
そうした人にというのだ。
「自分のことですがるなぞ」
「普通はしないですね」
「そうしたことをしたので」
だからだというのだ。
「流石にです」
「その人にもそんな余裕はないですね」
「心理的に」
「そうでしたね」
「それで不貞腐れてです」
「お葬式から帰ったのですね」
「着ているも服を脱いで貸した人にお礼も言わず突き返して」
そうしてというのだ。
「そうしました」
「そのこともどうも」
「醜いですね」
「まさに餓鬼ですね」
そうであるともだ、ラメダスは言った。
「どうにもならない」
「人の底を抜いた」
「最低と言ってもまだ足りない」
そうしたというのだ。
「人ですらなくなった」
「そうした存在が餓鬼というのですね」
「ですから人ではです」
「救えないですか」
「世の中何があってもです」
それこそというのだ。
「誰が何をして言っても」
「救えず」
「そしてどういった宗教や哲学でもです」
「救えない人がいますが」
「それはです」
「人でなくなっているからですね」
「そうです」
まさにというのだ。
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