第百四十話 ささやかなご馳走その四
[8]前話 [2]次話
「まさにそれがね」
「大阪だよね」
「だからね」
大阪はそうであるからだというのだ。
「そうしたね」
「お高く止まって」
「嫌味言われるとね」
「嫌だよね」
「しかも何かね」
今度は刺身を食べて言った、山葵醤油が入った皿に一切れ入れてそれを食べてからそのうえで言うのだった。
「大阪にライバル意識あるわね」
「京都ってね」
伊東も確かにと認めた。
「そうだね」
「それで尚更ね」
「嫌味だよね」
「あと神戸にもね」
京都そして京都人はというのだ。
「ライバル意識あるわね」
「そうなんだよね」
「関西三都っていうけれど」
その大阪、京都、神戸である。
「実際にそうだった時あるし」
「どの街もね」
「大阪だって難波宮あったしね」
「神戸も福原がそうだったしね」
「平清盛さんが遷都してね」
「そうだったね」
「もっと言えば奈良と滋賀もだけれど」
この二つの県もというのだ。
「首都だった時あるけれど」
「特に奈良だね」
「ええ、けれど三都って言って」
「大阪、京都、神戸だね」
「その三都でね」
「京都ってそんな意識あるよね」
「だからね」
このことがあるからだというのだ。
「何か京都って行きにくい感じあるわね」
「そうだね、ただお豆腐は」
伊東はそれでもと述べた。
「やっぱりね」
「京都よね」
「うん、何と言ってもね」
「そうよね、湯葉も京都からだしね」
「湯葉美味しいよね」
伊東は湯葉と聞いてこう返した。
「上品な味で」
「食感もよくてね」
「うん、美味しいよ」
「しかも健康にいいし」
「お豆腐だしね、それでその湯葉もね」
「京都なのよね」
「そう考えたら」
伊東はそれこそと述べた。
「京都悪くないけれど」
「あっちがね」
「嫌ってるね」
「大阪をね」
「一方的に」
「そんな感じするわ。京都から来た子達とは仲良く出来ても」
それでもというのだ。
「街単位、京都人単位だと」
「そう感じるね」
「そうなのよね、あとね」
留奈は刺身をさらに食べつつ言った。
「京都って夏暑くて」
「冬寒いね」
「どっちもかなりね」
「京都の特徴だね」
「大阪も夏暑いけれど」
留奈は自分達が生まれ育っている街の話もした。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ