第二章
[8]前話
「その人の好きなお花調べて贈るわね」
「やっぱり贈るなら」
満はそれならと答えた。
「やっぱりさ」
「人に喜んでもらいたくて」
「喜んでくれるならうんと喜んで欲しいから」
だからだというのだ。
「調べて贈ってるの」
「そうしていって気遣いや気配りができる様になったからよ」
「俺好かれてるんだ」
「そうなのよ」
「何時の間にかそうなったんだ」
「お花を貰って嬉しくない人はいなくて」
そうであってというのだ。
「贈るうちに贈る人の心もね」
「人に喜んでもらう様にやっていくからか」
「奇麗になるのよ」
「それで好かれるんだな」
「お花はそうしたものなのよ」
「贈られて悪い気はしなくて」
嬉しくなってというのだ。
「贈る方もか」
「あの時は言わなかったけれどね」
「心が奇麗になるんだな」
「そうなのよ」
「お花は奇麗だけれど」
満はそれでもと言った。
「見て奇麗なだけじゃないんだな」
「贈られる方も贈る方もね」
「嬉しくなって心が奇麗になる」
「そうしたものなのよ」
「そんな最高なものなんだな、そういえば」
満はここでわかった顔になって言った。
「お祖父ちゃんもお祖母ちゃんも俺がチューリップ好きだから」
「調べて贈ってくれたのよ」
「そうだよな、今も好きだけれど」
「わざわざ調べてだったのよ」
「嬉しいな、じゃあ今度お祖父ちゃんとお祖母ちゃんにな」
「お花贈るわね」
「そうするよ」
今も元気な二人にとだ、こう言ってだった。
満は両親から祖父母の好きな花は二人共藤だと聞いた、そうして蜂にある藤を贈った。すると二人は心から有り難うと言って彼も笑顔になったのだった。
花を贈ること 完
2024・8・25
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ