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盗聴器を使うからこそ
第一章

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                盗聴器を使うからこそ
 ジョン=エドガー=フーヴァーはこの時フライド=トルソンと共にいた。実はこの二人は共にアメリカ連邦政府の要職にあった。 
 フーヴァーはFBI長官でありトルソンは副長官であった、二人は今昼食を共にあるレストランの個室で楽しんでいたが。
 フーヴァーはトルソンにだ、小声で言った。
「こうした時もだ」
「警戒は必要か」
「そうなのだよ」
「君はいつも慎重だな」
「慎重にならざるを得ない」
 フーヴァーは真顔で答えた。
「私はな」
「何時誰が仕掛けているかわからないか」
「だからな」
「君は敵が多い、まあそれを言うとだ」
「君もだな」
「ずっとこうして一緒にいるのだ」 
 トルソンも小声でフーヴァーで話した。
「それならだ」
「警戒しているな」
「かく言う私もな」
「私達は共にいてだ」
「同じことをしている」
「同じ場所でな」
「それも何十年もな」
 それこそというのだ。
「そうしているな」
「私達の関係についてもだ」
 フーヴァーは話した。
「勘のいい者はもうだ」
「気付いているな」
「そうだ、まあそれはだ」
「気付く者は気付いて当然だな」
「こうして毎日昼食は一緒でな」
「共に休暇を取ることもある」
「それではだ」
 そうした状況ならというのだ。
「気付く者はな」
「気付くな」
「そうだ」 
 そうなるというのだ。
「それも当然だ、そしてだ」
「関係の証拠をだな」
「狙う者もいる、私がそうしている様にな」
「だから個室で話すな」
「信頼出来る店のな、しかしだ」
「その店の中でもだな」
「警戒は必要だ」
 今の様にというのだ。
「事前に部屋の隅から隅までチェックしてな」
「仕掛けられていないか確認するな」
「そして話すにしてもだ」
「小声でだな」
「話すのだ」
「そうしないと誰が聞いているかわからないな」
「私は常にだ」
 フーヴァーは言った。
「注意すべき者には仕掛けている」
「盗聴器をな」
「それを仕掛けてだ」
「そうした者を調べているな」
「そうしてだ」 
 実際にというのだ。
「実に多くの者のことを知った」
「異性関係なりプライベートの問題なりな」
「汚職もな」
「そうだったな」
「その相手がプレジデントでもな」
 アメリカの国家元首であり最高権力者であってもだ。
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