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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第216話:指輪を担保に
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削れば、確かに装者全員の戦力低下は免れる。だが代わりに今度は颯人が大幅に戦力低下した状態での戦いを余儀なくされてしまう。インフィニティーは勿論、各種ドラゴンスタイルも無しで幹部や場合によってはワイズマンと戦わなければならなくなるのは、彼が危険に晒される場面が多くなることに繋がってしまう。流石にそれを看過できる奏ではなく、思い留まらせようとするが颯人はそれを手で制した。

 一方査察官としては、場の主導権を颯人に持っていかれた事が面白くなかった。確かに颯人が身を削る形となってはいるが、話を主導しているのが颯人である現状、何か裏があるのではと勘繰らずにはいられない。

「……悪くない提案かもしれないが、我々に君からの提案を飲む義理があると思っているのかね? 君は部外者だろう?」

 査察官としては、先程弦十郎が口にした颯人は協力者=部外者であると言う発言からこじ付けて彼を黙らせようとしたに過ぎない。だがずる賢さと言う点に関して言えば、颯人は査察官の何倍も上を行っていた。

「分かってねぇなぁ。アンタらがお望みの錬金術師は今その部外者が握ってるって事忘れてねえか? もしここで俺が臍曲げて姿眩ませたら、あの子がアンタらの手に渡る事は絶対に無いぜ。何せここを幾ら叩いても出る埃なんてねえんだからな」

 因みにこれはブラフである。颯人はミラアルクを本部潜水艦の集中治療室へと直接連れていき、今はアリスが面倒を見ている。諸々の処置の事も考えて、そこへ連れていくのがベターだと考えたのだ。だから本気で本部の中を探し回れば、査察官はミラアルクを見つける事が出来る。

 それを悟らせる事なく颯人がここにミラアルクが居ないと告げれば、査察官は眉間に皺をよせ喉の奥から唸り声を上げ悩んだ。アマルガムの使用を制限するのは、何よりもS.O.N.G.に必要以上の行動をとらせないと言う牽制の意味が強い。強力な武装を封じれば、S.O.N.G.の活動も極力消極的にさせる事も不可能ではなかった。
 その一方で協力者と言う立場の颯人に対しては、彼らの権限も部分的にしか機能しなくなる。何より本気で颯人に逃げに走られると、彼らもそれを追うのには多大な苦労を要する事が容易に想像できた。ただの個人ではなく神出鬼没な魔法使いを、ただの人間が追うのは限界があるからだ。勿論素直に受け入れる事はせず、奏辺りを人質にすれば或いは颯人を大人しくさせる事も出来たかもしれない。だがその場合叛意を募らせた彼がここぞと言うところで彼らの活動を引っ掻き回したりする可能性がある事を考えると…………

「〜〜〜〜、良いだろうッ! それで手を打とうじゃないか。ただしもう一つ条件がある。君にはこの本部の外には出ないでいてもらおうッ!」
「ん〜……ま、しゃーねーか。じゃ、交渉成立って事で」

 そう言って颯
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