第96話 ヨシュアの過去
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が明るみになれば国際非難は免れないし国民からの信頼も失う事になる、そしてリベールも父さんの作戦で帝国に大打撃を与えたとはいえ戦争が続けば強国である帝国には勝てないと分かっていた……その結果ハーメルは事故で壊滅したとされて歴史から抹消された」
「……」
「国を守るトップとしては正しいんだろう、でも僕からすれば決して許せないことだ。僕達の苦しみを、姉さんの死を、ハーメルの悲劇を無かったことにした世界を僕は許せない」
あたしはヨシュアの過去を知って絶句してしまった。今まではヨシュアを説得して連れ戻せばいいと思っていた、でもあたしが思っていた以上にヨシュアの闇は深かったんだ。
「分かっただろう、エステル。僕はもう戻るつもりはない、記憶を思い出した今前のような生活はもう出来ないんだ」
「ヨシュア……」
「でも君だけは別だ、エステル。君だけは危険な目に合わせたくない、だから一緒に来てほしい」
ヨシュアはそう言ってあたしに手を差し出した。
「結社に来ても君が悪いことをしなくてもいいんだ、僕が君を守るから。それにレンだって君を気に入っている、だから君を歓迎してくれるよ。最悪アリアンロードさんに頼んで君を保護してもらえばいい、あの人なら信用できる」
「あたしは……」
あたしはその手を取るべきか悩んでいた。でもその時だった、向こうからこっちに誰かが走ってくる足音が聞こえたの。
「……もう特定されたか、第2柱の言っていた通り優秀な魔女がいるみたいだね」
ヨシュアはあたしから離れると木の上に一瞬で飛び上がった。
「ヨシュア!」
「エステル、どうかしっかり考えて欲しい。そして覚えていて、僕とレーヴェは世界に復讐を成すと誓った事を。カリン姉さんを奪った世界を僕は決して許さない」
ヨシュアはそう言って姿を消してしまった。
「ヨシュア……」
あたしは追いかけることが出来なかった。
「エステル!」
するとそこにリィン君達が駆けつけてくれた。
「エステル、大丈夫?」
「うん、平気よ。シェラ姉」
シェラ姉が心配して声をかけてくれた、あたしは問題無いと答える。
「おいエステル、ヨシュアの奴はどうしたんだ?」
「ヨシュアは行っちゃったわ、あたしと話がしたかったみたいなの」
「話?彼に何か言われたのかい?」
「とりあえず一度ギルドに戻りましょう、何を聞いたのかそこで話すわ」
アガットがヨシュアはいないのかと聞くとあたしはもういないと答える、そしてオリビエがヨシュアとの話について尋ねてきたけどギルドで話すと言ってあたしたちはロレントに戻ることにした。
そしてギルドに着いたあたし達はまず結
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