第四章
41.白く輝く地・ロンダルキアへ
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ピクピク動き、声をわずかに漏らすだけ。言葉は出てこない。
子供は足を、一歩、二歩と、出してきた。
それはあまりにも弱々しく、膝は震えていた。
「あっ」
フォルが声を出し、走る。子供が倒れることを察したためだった。
間に合った。
フォルは子供の体を両手で抱えた。
「すみま……せん……」
やっと言葉を絞り出したその子供の体は、細く、非力なフォルの腕にも軽く感じた。
「大丈夫です。あなたは、なぜここに? まだ他にどなたかいらっしゃるのですか?」
「ぼく……だけです……お師匠様が……ぼくに、生きろと……最後の力で……」
フォルはその言葉で理解した。
「私と、同じですね」
目から、雫がこぼれ落ちる。
「一緒に、帰りましょう。ロンダルキアへ――」
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ