第三十一話 不倫をする位ならその十二
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「滅亡しました」
「秀頼さんや私達のご先祖様は生き残っても」
「表向きは滅んだので」
「残念ですね」
「全く以て。その場所がです」
豊臣家が滅んだというのだ。
「この大阪です」
「そうですね」
「ここなんですよね」
真昼も夜空も言った。
「大阪で、ですね」
「淀殿さん死んでますね」
「大坂城で」
「今の大阪城と大坂城は違います」
幸雄はこのことも話した。
「大坂城は豊臣家のお城でして」
「大きかったですね」
「それもかなり」
「そうでしたね」
「そうでした、ですが」
その城はそうだったがというのだ。
「大阪城は幕府が建てたお城で」
「今のお城ですね」
「そうですね」
「それで天守閣は三代目で」
「昭和に建てられていますね」
「そうです、淀殿さんは前の大坂城で死にました」
豊臣秀吉が建てたその城でというのだ。
「そうなりました、ですがお亡くなりになったのは」
「大阪ですね」
「ここですね」
「かつて大きな戦があり」
大坂の陣がというのだ、豊臣家が滅んだ。
「そして一つの家が滅び私達のご先祖の方々も」
「深く関わっていましたね」
「その大坂の陣に」
「そして大阪にもですね」
「そうでしたね」
「幸村公は長くこの地に住んでおられました」
幸雄は自身の祖先の話もした。
「武家屋敷に」
「大坂城があるので」
「だからですね」
「実は上田にはあまりおられず」
真田家の領地にはというのだ、今の長野県にあるこの地は何といっても真田家の土地であると言えるのだ。
「むしろ大坂にです」
「長くおられたんですね」
「そうですね」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「関ヶ原の後でです」
「高野山でしたね」
白華が言ってきた。
「あちらにおられましたね」
「大坂の陣までは」
「十五年位でしたね」
「十三年ですか」
幸雄はこう白華に返した。
「確か」
「十五年ではないですか」
「もっと短かったかも知れません」
幸雄は真昼にこうも言った。
「高野山におられたのは」
「もっとですか」
「関ヶ原の戦後処理も時間がかかったので」
対象となる大名達が多くだ。
「その処罰の後で」
「改易となって」
「それかですので」
幸村が高野山に入ったのはだ。
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