第二章
[8]前話
門田を観てだ、二人は話した。
「門田小さいですね」
「噂は聞いてたけれどな」
「はい、南海時代も何度か観ましたが」
「平和台でな」
「その時は相手で然程観なかったですが」
「どっちかっていうと野村さんだったな」
「はい、野村克也さんは一七八位で」
彼の背はというのだ。
「結構あったんで」
「小さくなかったな」
「けれど味方になった門田観ますと」
「小さいな」
「一七〇位ですね」
「プロ野球選手としては小さいな」
「そうですよね、けれど」
田中はそれでもと言った。
「門田は打ちますからね」
「ああ、パワーヒッターでな」
「凄いですよね」
「昔観た中西もだったな」
荒岩、今は常務となっている彼は部長になっている田中に話した。
「小さくてもな」
「パワーヒッターになれますね」
「腕っぷしとかスイングとか腰の使い方でな」
「そうですよね」
「そこはそれぞれだな、体格は大事でもな」
このことは事実だがというのだ。
「小柄でもな」
「パワーヒッターになれますね」
「そうだよ、だから野球は面白いな」
荒岩は笑ってこうも言った。
「小柄でもパワーヒッターになれる」
「そうしたこともあるんで」
「面白いな、じゃあ今日もな」
「地元のチーム応援しましょう」
「まさかそれがホークスになるなんて思わなかったけれどな」
「それでもですね」
「ああ、応援しような」
「地元のチームを」
二人でこう話してだった。
一緒に試合を観た、門田はその試合でもパワーを発揮した。小柄でもそれでもそのパワーは確かなもので二人もそれを観て笑顔になった。
小柄なパワーヒッター 完
2024・8・24
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