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ボーイズ・バンド・スクリーム
第1話 ボーイ・ミーツ・ガール・アゲイン
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「そうでしたか。では、私たちはこれにて失礼しますね」

「もう行くのかよ?」

「ええ、智ちゃんが素直になるまで交流はおあずけですから。運命の再開を邪魔しても悪いですし」

「ちょっとルパ!それどういう意味?」

「そのままの意味ですよ。それでは、またどこかでお会いしましょうね」

互いの自己紹介もほどほどに、彼女たちは広場を去ってしまう。遅まきながらハンカチを返し忘れたことに気づいた。

(うーん。まあ、ファンとかならそのうち会うだろ)

繰り返しになるが高校時代、瑞貴と桃華との接点は殆どない。学級委員長であった彼は彼女と事務的な会話ぐらいしかしておらず、再開しても認識されないかもしれない。そんな恐怖にも似た感情が湧き上がる。会わないほうが良いのかもしれない。

(いや。今、会わないと。絶対に後悔する)

意を決して階段を駆け降り広場へ向かう。ちょうどライブが終わったようだ。拍手をしながらステージへと近づいていく。

「白石?お前、白石か!久しぶりだな」

「…久しぶり。まさかこんなところで会えるなんてな」

瑞貴は嬉しさで胸がいっぱいになった。憧れの人が目の前にいる。それどころか自分のことを覚えてくれていた。

「お前…目が赤いぞ?泣いてたのか?なんかあった?」

「な、何でもねえよ。ちょっと目にゴミが入っただけだ」

ポカンとした表情をしたボーカルとドラムの少女2人を尻目に青年は運命の再会を果たした。
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