第20話:依頼拒否の代償
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。その理由」
観念したかの様に話し始めるマシカル。
「私がマドノ達に就いて行った理由は、手柄や名声が欲しかったのよ」
「そこに星空の勇者が現れたら……と言う訳か……」
「そう。私は喜んで就いて行ったわ!でも……」
マシカルは思い出す。マドノとのやり取りを。
「ねぇ」
「ん?」
「この依頼を受けてみない?この依頼を成功させればこの国の貴族にいい顔で―――」
「その貴族が指定した場所に経験値稼ぎに適したモンスターはいるのか?」
「いや……そこまで強いモンスターは関わってない……」
「経験値稼ぎをサボってまで受けるべき依頼か?」
「この国の貴族に伝手が出来るけど―――」
「じゃあ断れ」
「でも―――」
「断れ。こっちは経験値稼ぎで忙しいんだ」
「……はい」
マシカルがマドノ率いる勇者一行を解雇されたもう1つの理由が、名声欲しさに経験値稼ぎをサボってまで依頼を受けようとする態度だと知って、アムは怒った。
「何それ!?私達モンスターを何だと思ってるのあいつら!」
グートミューティヒもその理由に不快感を抱いた。
「依頼するって事はそこまで困ってるって事だよね?マドノの奴、よくそれを平気で断れるな?」
更に項垂れるマシカルだが、それをグートミューティヒが慰める。
「マシカル、理由はどうあれ困ってる人からの依頼を受けようとしたんだ。君は何も悪くない。悪いのは、自分勝手な理由で困っている人からの依頼を断ったマドノ達の方だ!」
そんなグートミューティヒに微笑むアム。
「相変わらず、アンタらしい考えだわ」
こうして、グートミューティヒ達のマドノ率いる勇者一行への評価が更に激減したのだった。
一方、ツノクジラとダークマーメイドの暗躍によって激減した漁獲量に苦しめられていた貴族の許に、グートミューティヒの尽力によって宝石採掘用鉱山の奪還に成功した商人が訪れた。
「して、わざわざこちらにいらっしゃった要件は?」
「貴方様が管轄している港町での星空の勇者マドノの実際を活躍をぜひお聞きしたいと思いましてな」
商人の要求に困惑する貴族。
「私は直接その場面を観た訳じゃないからね」
「噂でも構いません。ぜひ御聴きしたい」
貴族は本当に困った。そして白状した。
「現場に戻ったら、モンスターの死骸だけが残されていただけだったのだ。つまり、誰もマドノ殿が戦っている所を観た訳ではないのだ」
「つまり、マドノがそのモンスターを倒した確証は無いと?」
「無いと言われれば……確かに無いが……」
とは言え、ツノクジラ程のボスモンスターを倒せる冒険者など数に限りがある。故に、マドノ以外の他の人物がツノクジラを倒したとハッキリ言えないのも事実である。
ただし、商人は違った。
「なら、彼女が倒した可能性も有ると言う事ですな?」
貴族は
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