第20話:依頼拒否の代償
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なにせこっちは1ヶ月前に『忙しいからそんな場合じゃない』と、星空の勇者に言われましたからな」
学者が渇いた笑い声をあげる中、グートミューティヒとアムはそっぽを向くマシカルを追求する。
「1ヶ月前?それはどう言う事だマシカル?こっち見ろ!」
「何した?お前らこの町で何した?いやアイツらに訊いた方が早いな!」
そこで、今度は学者を尋問するアム。
「マドノの奴、この町で何やらかした?」
「寧ろこっちが訊きたいですよ。星空の勇者と言うモノは余程忙しい様で」
再びそっぽを向くマシカル。
「さっき言った通り……マドノは……断った」
「なんでさっきから片言なんだよ!こっち見ろって!」
「何してんの!?お前何してんの!?」
呆れる学者。
「貴方方は逆に暇そうですな……」
で、改めて花の採取に関する報酬の話になったが、
「え?襲われた!?」
「はい。今はまだダンジョン化には至っていませんが」
「あの山がダンジョン化するですと?」
「あー、それは大丈夫。その花を探すついでに追っ払ったから」
「僕達が行った時ははぐれモンスターが複数居た程度でしたが、あのままほっておいて、流れ着いたはぐれがボスモンスターに成長していたら……」
「あの山は魔王軍に乗っ取られてダンジョンになる……」
先程までマドノ達に依頼を断られた事を愚痴っていた学者の頬を冷や汗が伝う。
「で、1つ訊きたい。貴方は衛兵にどこまで伝手がある?」
「それを聴いてどうするのです?」
グートミューティヒは真顔で答えた。
「衛兵達に定期的にあの山を巡回して欲しいのですが、その話を貴方の権限で通して貰いたい」
「それは勿論の事ですが、それと我々が貴方方に支払う報酬と何の関係が?」
「いえ、あの山に関する事件はまだ終わっていません。だから、報酬は要りません」
学者はグートミューティヒの言い分に驚いた。
「……なんて無欲な……どこぞの忙しいが口癖とは大違いだ!」
バツが悪そうにそっぽを向くマシカル。
結局、衛兵にダンジョン化しつつあった山の巡回を依頼する以外の報酬を拒否したグートミューティヒ。
「勿体無い事をしたわね糞男」
「良いんだよ。後であの山にモンスターが居る事がバレるよりは大分マシだよ」
「……そんなモノかしらね」
その間、バツが悪そうに俯くマシカル。
「暗いわね……さっきの追及がそんなにきつかった?」
マシカルは首を横に振った。
「違うわ。思い出したのよ」
「思い出した?」
「マドノ達から追い出された理由よ」
グートミューティヒが聞かされた理由は、上級魔法の詠唱時間が長過ぎる事による攻撃回数の減少にマドノ達が耐えられなくなったであるが、もう1つ在ると言うのであれば、そっちの方がメインではないかと思えるグートミューティヒ。
「……訊きたいね
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