激闘編
第九十五話 下準備 U
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輸送艦の手配、亡命希望者のハイネセンへの移送準備、帰国希望者の集結場所の選定とその移送準備。亡命希望者へのID発行の準備。国防委員会、人的資源委員会そして法秩序委員会との調整会議…キャゼさんはそう言うけど、とても片手間で出来る仕事じゃない。宇宙艦隊はビュコック長官に任せると言ったけども何もしない訳にもいかないし、自分の艦隊の事だってある。それでアムリッツァからキャゼさんに来て貰ったんだ。
「後は実施を待つだけだな…それで、全権代表と捕虜交換の実施場所は決まったのか?今日の会議はその為の物だったんだろう?」
「それがまだなんですよ…普通こういった事は一番最初に決める物だと思うんですがね」
「お前さんはどう思ってるんだ?」
「フェザーンで行うのが一番だと思います。フェザーンを通じて交渉しているのにフェザーンで捕虜交換をやらないのでは、黒狐が怒りますよ。それに、何か起きてもフェザーンのせいに出来ますからね」
「なるほどな。帝国側はどうなんだ?」
「バグダッシュによると向こうも誰が代表になるか決まってないそうです。予想はしていましたが大貴族の横槍が酷い様で」
「おいおい…此処までやってご破算になるという事はないだろうな」
「相手が居る事ですからね、何とも」
帝国の実力者がラインハルトなら、ほほう…とか何とか言って乗って来ただろうけどな…どうも調子が狂うと言うか何と言うか…。
「閣下、ビュコック司令長官がすぐに来てくれとの事です」
鳴った内線をミリアムちゃんが受ける。どうやら急ぎの様らしい。
「少将、よければ一緒にどうぞ」
「いいのか?」
「構いませんよ、さあ行きましょう」
ビュコック司令長官の執務室に行くと、長官の他にチュン総参謀長、ヤン提督が居る。長官はキャゼさんを見ても何も言わなかった。
「お呼びでしょうか」
口を開いたのはヤンさんだ。何やら難しい顔をしている。
「フォルゲンで戦闘が発生しました。第十三艦隊と帝国艦隊が遭遇。つい一時間程前の事です」
「状況はどうなのです」
「第一報によると帝国軍は約六千隻との事です。戦力的にはアッテンボローが有利ですが、短時間で攻撃を切り上げて後退している様です」
ヤンさんはアッテンボローを買っている、だけど心配そうだ…もう直接の部下じゃないからな…それはともかくヤンさんはここで何をしているんだろう?
「ああ、私はビュコック長官に呼ばれて再出兵の作戦案を練り直しているんですよ。総参謀長に是非にと言われましてね」
成程、そういう事ね。パン屋も優秀だけど、そこに更にヤンさんが加わるのなら何の心配もいらないな。どんな作戦なのか気になるけど、今はそれどころじゃない。
「そうだったのですね。それで、カイタルのビロライネン中将は、どの様な指示を」
今のアムリッツァ方面軍のトップはビロラ
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