第七百六十五話 感謝されずともその四
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「三食の度です」
「徳を積んでいますね」
「そうしていますね」
「そしてその徳積みはです」
「大きいですね」
「そうです、餓鬼がどういった存在か認識して」
それでというのだ。
「布施餓鬼をしないというのもです」
「一つの考えですね」
「それもまた」
「助ける価値もない」
「そうした存在と認識することも」
「はい、ですが」
それでもというのだ。
「布施餓鬼を行うこともです」
「一つの考えになりますね」
「そちらも」
「そうです、布施餓鬼をせずとも」
それでもというのだ。
「徳はです」
「積むことが出来ますね」
「他のことで」
「そのことはです」
セーラは言った。
「事実です」
「そうですね」
「徳の積み方は一つではないですね」
「多いですね」
「それも数え切れないまでに」
「ですが」
それでもというのだ。
「布施餓鬼もまたです」
「徳を積める」
「助けることになる」
「それもまた事実ですね」
「例え感謝されずとも」
「善行は感謝される為に行うものか」
こうもだ、セーラは言った。
「果たして」
「違いますね」
「見返りは求めないですね」
「決して」
「それが善行ですね」
「見返りを求めるなら」
それならというのだ。
「商売と同じです」
「変わらないですね」
「そうしたことと」
「見返りを求めるなら」
「それなら」
「感謝もです」
これもというのだ。
「受けたいのなら」
「もうですね」
「善行にはならないですね」
「善行は見返りを求めない」
「決して」
「そうであるので」
だからだというのだ。
「布施餓鬼もです」
「見返りを求めない」
「感謝されようと思わないことですね」
「そうともです」
その様にというのだ。
「私は考える時があります」
「布施餓鬼を行うべきだと」
「善行で徳を積めるので」
「だからですね」
「それもまたよしと」
「思う時はあります、ただ」
セーラは暗い顔になりだ、ラメダスとベッキーにこうも話した。
「それを否定する時もです」
「ありますか」
「布施餓鬼を行うべきでないと」
「やはり浅ましい存在なので」
「感謝もしないので」
「はい、今回お話した人を見ていますと」
餓鬼になったその輩をというのだ。
「その人生はです」
「浅ましいですね」
「そして醜いですね」
「あまりにも」
「そうはなりたくないという様な」
「生きていてもです」
それこそというのだ。
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