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神々の塔
第七十八話 光の神その八

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「それでアメリカ行ってくれてよかったって」
「心から言ってるのよね」
「今もずっと」
「気持ちはわかるけどね」
「あれだけのゲーム差ひっくり返されてで」
「凄いって言いつつ」
 それと共にというのだ。
「アメリカ行ってくれてよかったって」
「言うてるのよね」
「そやけど美鈴ちゃん大谷さん嫌いかっていうと」
「巨人は嫌いやけど」
「それ誰でもやし」
「うちの学園やとね」
「巨人は悪事の限りを尽くしてきたさかい」
 その歴史もっと言えば存在自体が邪悪と悪徳である、日本が生み出してしまった人類の癌と言える。
「嫌って当然やね」
「しかも弱いし」
「二十五年連続最下位やしね」
「そやから美鈴ちゃんもね」 
 アレンカールはそれでと話した。
「巨人が嫌いやのはね」
「当然やね」
「そやね、それでも大谷さん嫌いかっていうと」
「素直に凄いって認めてるわよ」
「アメリカでやと思う存分活躍して欲しいって」
 その様にというのだ。
「言うてるし」
「それやとええね」
「ほんま立派なもんは素直に立派と認める」
「それが大事やね」
「それが出来たら」
 それならというのだ。
「ほんまね」
「その立派なもんを目指そうとも思えるから」
「黄金の精神は黄金の精神やと」
「それで努力にもつながるさかい」
「ええのよね、まずは立派な人やものを素直に立派と認める」
「それからやね」
「いや、人はね」 
 まさにというのだった。
「ええもんに触れて素直にええと認める」
「それが大事やね」
「嫉妬しても何もならへんな」
 中里は心からこう思って言った。
「はっきり言うて」
「そやねんね、これが」
「そんなことしてもな」
 それでもというのだ。
「得られるもんはな」
「そこから自分もってなって努力するんやとな」
「ええけどな」
「そこで妬んであれこれ落とすなら」
「自分が落ちるわ」
「自分の品性とか知性とかな」
「人格もやね」
「落ちてな」
 そうなりというのだ。
「マイナスや」
「ほんまにそやね」
 綾乃もその通りだと頷いた。
「そんなことしても」
「さもしいわ」
「ほんまにね」
「そんなことで時間潰すよりな」
「努力して」
「そしてな」
「時間を過ごすことやね、妬む位なら」
 それならというのだ。
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