第77話「テレサとの邂逅・4号―――ダークネス卿との邂逅」
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その御姿に魅入っていた時だ。
テレサは目を開けて、古代達へ顔を向ける共に自分の名前を告げる。
「初めまして。私の名はテレサ。テレザートのテレサです」
女神は一人一人の顔に視線をやった後、一歩前へ踏み出した男―――古代へ視線を投げる。
「……」
古代は思う。
恐れが無いといえば、嘘になる。しかし女神と向き合うためには、意思を奮い立たせなければならない。なんの為に此処まで来たんだ、古代進。
「我々は貴女のメッセージを受け取り、此処まで来ました。何故、我々だったのですか? 貴女なら、全宇宙の誰にでも呼びかけられる筈です」
「私が選んだのではありません。〈ヤマト〉が来ることは、決まっていました」
決まっていた?
それは、どういうことだろうか…。
女神の言葉に理解が出来ない中、斎藤が問う。
「じゃあ、誰が決めたんだよ?」
彼は詰め寄る勢いだった。
しかしそれを、真田が手で制した。不機嫌そうではあったが、斎藤は口を閉じた。
「テレサ、貴女は我々よりも高位の次元に存在する―――高次元生命体ですね?」
「……」
女神テレサは答えない。
ただジッと、見つめているだけ。
だが、この場にいる誰もが理解する。不機嫌そうではあった斎藤にさえ、だ。―――その瞳が問いかけへの肯定、なのだと。
「貴女の本当の声を聞くため、私達は此処へ来なければならなかった。違いますか?」
それに対し、女神―――高次元生命体テレサは頷く。
「私と同じ次元に存在して、初めて私の声が聞こえる。《テレザリアム》は、そのためのゲートです」
やはり、そうか。そういうことなのか。
ブツブツと口ずさむ真田は、「?」を浮かべる古代達へ説明する。
「伝説の通りだ。肉体を棄て、生きながら天国の扉を潜ったテレザート人―――その精神の集合体たるテレサ。あの世とこの世の狭間にあって、宇宙の始まりから終わりまでを見通す。彼女は時間さえ可視化された、世界に住んでいる。そして我々は、その入り口に立っている。…まぁつまり、だ。我々がいる此処《テレザリアム》は、三途の川の入り口なのだよ」
真田の説明に、古代達は混乱しながらも何とか理解しようとしている。頭を何度も叩いている、斎藤がその例だ。
そんな中、だ。
古代は真剣な眼差しで、テレサに問うた。
「では今後、〈ヤマト〉はどうなると決まっているのですか?」
「……」
数秒の沈黙の後、テレサは告げる。
「あなたがたは、白色彗星をご存知ですね?」
瞬間、視界が暗転した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
無数の星々が、宇宙空間に浮かぶ。
宇
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