第百三十九話 姉の忠告その十二
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「毒強いし群れるしな」
「狂暴だしね」
「何度も刺してくるからな」
「山で一番怖いわね」
「蛇もいるんだぞ」
「蝮ね」
「あれも噛まれたら死ぬだろ」
蝮の毒の話もした。
「毒なくても猿もいるんだぞ」
「猿も怖いわね」
「かなり凶暴だぞ」
この生きものもというのだ。
「すばしっこくて引っ掻いてな」
「お猿さんも馬鹿に出来ないわね」
「それでハゼとかウルシとかな」
「かぶれる植物もあるし」
「何かとな」
山もというのだ。
「危ないんだよ」
「そうよね」
「自然は怖いんだよ」
越智は真顔で話した。
「だからな」
「騒動を経験したいなら」
「山に入ったらな」
「それでいいわね」
「遭難でもしたら死ぬぞ」
そうなればというのだ。
「本当にな」
「よくあるしね、実際に」
「軍隊の訓練でもな」
それでもというのだ。
「大勢死んだ話あったよな」
「ええと、確か東北の」
「八甲田山な」
「あそこね」
「訓練で冬の山に入ってな」
「大勢の人が亡くなったのね」
「出るそうだしな」
幽霊がというのだ。
「あそこな」
「そのお亡くなりになった人達よね」
「だからな」
そうであるからだというのだ。
「何か騒動が欲しいなら」
「山に入ればいいわね」
「危険がこれでもかてな」
「あるわね」
「妖怪に会わなくてもな」
日本の山は妖怪の話も多い、山姥等が代表であるがこれは妖怪が自然を具現化したものだかであろうか。
「普通にな」
「危ないわね」
「だからな」
そうであるからだというのだ。
「よく騒動とか危険とか経験したいって奴いるけれどな」
「山に行けばいいわね」
「海でも川でもいいよ」
そうした場所でもというのだ。
「どっちも普通にな」
「危ないわね」
「溺れたらな」
「それで終わりよね」
「海には鮫だっているしな」
「クラゲに刺されたりね」
「危険なんてな」
それこそというのだ。
「普通にな」
「あるわね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
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