第八十七部第一章 シャイターンの復活その六十七
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「そうだった」
「左様でしたね」
「それでサラーフ軍は退きましたが」
「それでもですね」
「アッデーン大統領は」
「基地をもうけた」
足掛かりとなるそれをというのだ。
「あえて進軍を停止させてな」
「左様でしたね」
「本国から物資をどんどん輸送させ」
「その護衛も確保し」
「また工作部隊を総動員もして」
「そうしましたね」
「それが整ってから進軍する様にした」
サラーフ軍の焦土戦術的な作戦に対してだ。
「そして戦線もだ」
「拡大させず」
「あくまで基地の建設に徹し」
「そうしてでしたね」
「それからでしたね」
「それを見るとだ」
それならというのだ。
「この度のことはな」
「あの御仁らしいですね」
「そう言うべきですね」
「それは妥当であろう」
「左様ですね」
「そうだ、だからだ」
それでというのだ。
「私はこれをおかしいと思わない」
「当然ですね」
「あの御仁のやるべきことである」
「そして戦略の常道だと」
「そうもですね」
「考えている、そしてだ」
シャイターンはさらに話した。
「我々はそのオムダーマン軍に対してだ」
「反撃に転じない」
「そうされますね」
「敵は動きを止めましたが」
「それでもですね」
「今攻めても返り討ちに遭う」
オムダーマン軍にというのだ。
「戦力が落ちているからな」
「だからですね」
「今は戦力を整える」
「そうしますね」
「招集した予備戦力を以て」
「そうしますね」
「機は見るべきだが」
しかしというのだ。
「軽率は違う」
「軽率は愚かですね」
「こうした場合は特に」
「迅速にかつ慎重に」
「そうあるべきですね」
「そうだ、軽率は戦争では敗北か死の素だ」
こう言うのだった。
「まさにな」
「だからですね」
「それで、ですね」
「閣下もですね」
「今はですね」
「動かずにな」
オムダーマン軍が動かずともというのだ。
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