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金木犀の許嫁
第三十一話 不倫をする位ならその四

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「こちらも」
「俺は烏賊だけれど」
 佐京はこちらだった。
「いいね」
「串カツは多くのものを揚げられて」 
 幸雄は普通の串カツを食べて言った。
「美味しいですからね」
「しかも手軽に食べられますね」  
 真昼はこう応えた。
「手軽に」
「はい、しかもです」
 幸雄は今度はエリンギを食べつつ言った。
「お酒にもです」
「合いますね」
「ですから」
「尚更いいですね」
「素晴らしいお料理です」
「本当にそうですね」
「はい、今の私は」
 幸雄は微笑んでこうも言った。
「車に乗りますので」
「お酒はですね」
「控えます」
 見ればコーラを飲んでいる。
「それは夜です」
「そうですか、ですが私達も」
「飲まれていないですね」
「八条町でもお家の中でもないので」
 だからだというのだ。
「未成年は飲めないので」
「だからですね」
「今は飲みません、それに昨晩です」
「かなり飲みましたので」
 夜空もそれでと話した。
「ですから」
「それで、ですね」
「今日はお酒はです」
「夜もですか」
「控えます、また今度です」
「飲まれますね」
「そうします」
 こう幸雄に言って甘い葡萄のジュースを飲んだ、少し見ると赤わいんに見えないこともないがジュースである。
「お酒は」
「毎日飲みますと」
 佐京はジャガイモを食べて言った。
「流石に身体に悪いですね」
「はい、それはお勧め出来ません」
 幸雄は佐京にも答えた。
「とても」
「そうですね」
「肝臓に悪いですし」
「毎日飲んでいますと」
「身体全体に及び」
 酒の影響がというのだ。
「特に脳にです」
「きますね」
「上杉謙信さんも」
 酒好きで知られた彼もというのだ。
「毎晩深酒をして」
「無類の酒好きだったそうで」
「一度脳梗塞で倒れたそうで」
 そして生死の境を彷徨ったという。
「最後に脳出血で」
「お亡くなりになっていますか」
「そう言われています」
「明らかに飲み過ぎですね」
「大酒を飲んで」  
 毎晩というのだ。
「おつまみは梅干しやお味噌、お塩だったとか」」
「塩分が心配ですね」
「生活は質素でしたが」
 それでもというのだ。
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