第百七十二話
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第百七十二話 博士の下着の好み
博士は小田切君とタロ、ライゾウに対して自分の下着のことを話した。
「わしもトランクス派じゃが」
「そうですよね」
「しかし色には凝っておる」
「あっ、博士のトランクスって」
タロは干してある博士のそれを見て言った。
「一色だね」
「そうだよな、小田切君は色々な柄でな」
ライゾウも言った。
「博士はな」
「赤とか青とか黒とか」
「一色だよな」
「下着の色は一色とじゃ」
その様にというのだ。
「わしのこだわりじゃ」
「博士ってファッション凝ってますね」
小田切君は博士のこのことを指摘した。
「そうですね」
「うむ、白いタキシードにじゃ」
「蝶ネクタイで」
「そしてマントじゃ」
「服の手入れは欠かさなくて」
「アイロンもかけてな」
その服にというのだ。
「クリーニングにもよく出すな」
「そうですね」
「そして靴もじゃ」
博士はそちらの話もした。
「毎日しっかりとじゃ」
「磨いてますね」
「そうしてじゃ」
「かなり気を使ってますね」
「それで下着もじゃ」
こちらもというのだ。
「凝っておってな」
「一色のトランクスですか」
「それと決めておる」
「こだわりですね」
「マッドサイエンティストたるものダンディでなければならぬ」
博士は胸を張って言い切った。
「それでじゃ」
「下着も凝っておられますか」
「トランクスがわしのダンディズムに合っておる、褌もよいが」
「今はトランクスですね」
「そうじゃ、決してブリーフは穿かぬ」
博士は言い切った。
「何があってもな」
「博士のダンディズムに合わないからですね」
「それは穿かぬ、ボクサーはわからぬがな」
「ダンディズムですか」
「下着もそれに基づいて穿いておる」
こう言うのだった、そして自分の下着を見るのだった。どれも一色で言われてみるとそこには博士のダンディズムがあると小田切君も引きも思ったのだった。
第百七十二話 完
2024・6・1
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