第二十八話 侮りその五
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「こんないいことはない」
「そうですね」
仲村も確かにと頷いた。
「相手に隙が出来るなら」
「是非侮ってくれだな」
「それもどんどん」
「最後までだよ」
「面白い発想だ」
トリンは黒木のその言葉に楽しそうに頷いた。
「そしていい考えだ」
「そう言ってくれるんだ」
「そして思っている」
「そうなのだね」
「馬鹿にされていることはいい気持ちはしないが」
「敵に隙が出来て」
「それで勝てるならだ」
そうであるならというのだ。
「これ以上はないまでにだ」
「いいことだな」
「そうだ」
まさにというのだ。
「では侮ってもらおう、その間にだ」
「我々は彼等を調べていこう」
「徹底的にな」
こう話してそうしてだった。
戦隊の面々はアグデド達について調べることにした、その中でブランエリは面白そうに笑ってこんなことを言った。
「ザンギャック達に調べた情報を流すか」
「何故そんなことをする」
「敵の敵は味方だ」
桃井にその笑顔のまま応えた。
「その味方にだよ」
「敵の情報を流すのか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「彼等にも有利に戦って貰おう」
「ダグデド達とか」
「そうしてもらおう」
「いいですね」
ラプターはブランエリのその考えに賛成した。
「それは」
「そうだな、彼等もだ」
「ダグデド達と敵対しますね」
「しない筈がない」
ブランエリは断言した。
「彼等は我々と戦ったが」
「それでもですね」
「邪悪ではない、しかもだ」
このことに加えてというのだ。
「彼等は裏切られている」
「ザンギャックにしてもマトリンティスにしてもね」
ういが応えた。
「だからね」
「彼等にとってもだ」
「ダグデド達は敵ね」
「裏切られてだ」
そしてというのだ。
「痛い目に遭っているからな」
「絶対に敵対するわね」
「ダグデド達は絶対に信用出来ない」
ブランエリはこのことを指摘した。
「私利私欲で平気で裏切るのだからな」
「自分勝手に」
「その様な者達に一度裏切られるとな」
「絶対に信用しなくてね」
「敵とみなす」
「そうよね」
「シャドーライン達は直接知らずともな」
「ザンギャックの人達から聞いてるし」
「やはり信用しない」
彼等と直接関係のなかった組織の者達もというのだ。
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