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趣味は節約
第二章

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「だからストロング系おかね」
「安いお酒飲んで」
「それで酔えばいい」
「そうなのね」
「そうよ。兎に角節約することよ」
 こう言って実際にそうしていた、そしてだった。
 都は節約に徹していた、これは彼女の趣味で何でもせっせとそうしていた。当然貯金もすぐに貯まったが。
 知り合いに何かあればお見舞いに行って見舞いの品を送りお祝いやお歳暮もしっかりとしたものを贈った、またお寺や神社にお参りするとしっかりとお賽銭を払った。それを見てだった。
 同期の川原里美愛嬌のある顔立ちでホームベース型の顔に黒髪をパーマにしている小柄な彼女は都に職場の休憩時間に問うた。
「あんたいつも節約しているけれど」
「それがどうかしたの?」
「けれどお見舞いやお歳暮の品はしっかりしたの贈るし」 
 それにというのだ。
「お寺や神社へのお賽銭もね」
「だから普段は節約してよ」
 都は里美に確かな声で話した。
「使うべき時にね」
「使うの」
「そう、確かに節約は趣味だけれど」
 都自身のそれであるというのだ。
「けれどね」
「どうして節約するか」
「それはね」
 このことはというと。
「確かな時にね」
「使う為でもあるのね」
「そうなの」
 まさにというのだ。
「だからね」
「お見舞いとかの時は」
「これからもね」
「お金しっかり使うのね」
「そうするのがいいってね」
 その様にというのだ。
「私子供の頃に教えてもらったのよ」
「そうなの」
「親戚にお寺の人がいて」
「ああ、そのお寺ね」
「自分のお家のことは節約して」 
 まさに都の様にというのだ。
「それでそうしたことによ」
「お金を使ってたのね」
「それでその人が凄く立派な人だから」
「その人みたいにしているのね」
「お手本にしてるの」
「そういうことだったのね」
「それで逆にね」 
 都は今度は嫌そうな顔で話した。
「別の親戚で人にはビタ一文使わないで」
「自分のことにはなのね」
「聞いたこともない様ないい煙草吸ったりいい服着てたのよ」
「それでその人が碌でもない人だったのね」
「そう、お仕事しないで威張ってばかりのね」
「まさにろくでなしね」
「そんな人だったから」 
 だからだというのだ。
「お寺の人とは逆にね」
「反面教師にしてるのね」
「そうなの、それで自分のことには節約して」
「他の人に使ってるのね」
「そうなのよ、私はね」 
 都は笑顔で話した、そしてそれからも節約生活をしていった。
 やがて彼女はその寺に奥さんとして入った、するととても出来た奥さんと評判になった。悪く言う人は誰もいなかった。


趣味や節約   完


                      2024・8・19
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