第七十八話 光の神その四
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「少なくともこの世界に関わってる神霊さん達は絶対の悪かっていうと」
「そうした神霊さんいてはらへんね」
「一柱もな、今度戦うアフラ=マツダさんも」
この神霊もというのだ。
「然りや」
「絶対の正義やないね」
「僕等が思うな」
「そうなるね」
「正義の神であっても」
「うち等が思う絶対の正義やない」
「そや」
まさにというのだ。
「これがな」
「神霊さんの正義やね」
「司るな」
「そやね」
「まあ人は自分に絶対の正義があると思ったら」
芥川はここで口をへの字にさせて語った。
「間違える元やけどな」
「そやね」
「そや、独善になってな」
「もう悪を成敗するとか言うて」
「碌でもないことするわ」
「そうなるね」
「僕こうした奴大嫌いや」
芥川は顔を顰めさせて話した。
「何でも決め付けと断定で自分の正義に酔ってる」
「もうそうなったら」
「人として終わりや」
「ほんまそやね」
「何があってもな」
それこというのだ。
「そうなったらな」
「人はあかんね」
「今言うたけど碌でもないことするわ」
「そうなる元やね」
「正義は大事やが」
中里は難しい顔で話した。
「相対的なもんやな、ただ黄金の精神はあるな」
「人の為に動いて尽くす」
「そうしたもんはな」
「それは正義やね」
「そう思うわ、吐き気を催す邪悪っていう」
「絶対に許せへん悪があって」
「黄金の精神っていうな」
そうしたというのだ。
「無条件で素晴らしい」
「そうした正義もあるね」
「けど黄金の精神は独善か」
「絶対にちゃうね」
「独善はむしろや」
それはというのだ。
「吐き気を催す邪悪や」
「そやね」
「それでや」
それだけにというのだ。
「アフラ=マツダさんの正義はな」
「またちゃうね」
「当然独善やなくてな」
「黄金の精神でもないね」
「世界の柱の一つであるな」
そうしたというのだ。
「正義や」
「アンラ=マンユさんの悪と同じやね」
「そや、そこを間違えるとな」
それこそというのだ。
「あかんわ」
「そやね」
「キリスト教の悪魔ともまたちゃうな」
「あっちの悪魔はもう一つの正義と言うてええね」
「元々天使や神様で」
「倫理も備えてるし」
キリスト教の悪魔達はそうであるのだ、彼等はよく見ると邪悪ではなく契約にも厳格であったりする。
「またちゃうね」
「アンラ=マンユさんとは」
「キリスト教の悪魔って悪いイメージないねん」
「綾乃ちゃんとしては」
「そやねん」
自分としてはとだ、中里に話した。
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