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新人も経験を積むと
第一章

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                新人も経験を積むと
 ファミレスでのアルバイトをはじめたばかりでだ。
 小川彩花は戸惑うばかりだった、まさに右も左もわからない状況だった。
「五番テーブルはあちらですね」
「あそこのお客さんはハンバーグセットよ」 
 先輩の二つ上の別の大学に通っている北別府麗子が答えた。
「宜しくね」
「は、はい」
 小柄で垂れ目で丸顔の顔で答える。黒髪はボブにしていて胸はかなりのものだ。麗子は赤茶色の波がかったロングヘアで面長できりっとした顔立ちだ。眉は太く長身でモデルの様なスタイルだ。
「それじゃあ」
「それで終わったらね」 
 麗子は自分も注文を持って行く準備をしつつ話した。
「七番に苺パフェお願いね」
「今度は九番ですね」
「それで苺パフェよ」
 メニューはというのだ。
「お願いね」
「わかりました」 
 テーブルもメニューも必死に頭に入れてだった。
 そうして持っていき教えられた接客で応対してだった。
 次の仕事にかかった、レジも担当するがそちらも教えられたばかりでだ。
 一回一回が必死だった、それで家に帰って自分そっくりの母の楓に言った。
「もう何もね」
「わからないのね」
「右も左もね」
 まさにというのだ。
「わからないわ、大変よ」
「誰でも最初はそうよ」
 母は疲れ果てて言う娘に笑って話した。
「もうね」
「そうなの」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「そんなにね」
「気にすることないの」
「少しずつでもね」
 そうであってもというのだ。
「慣れて経験も積んでね」
「よくなっていくのね」
「今は大変でも」
 それでもというのだ。
「よくなるわ」
「そうかしら」
「あんた部活書道部だったでしょ」
「今もやってるけれどね」 
 中学高校と部活でしていて今は教室に通っている。
「好きよ」
「その書道も最初はでしょ」
「全然よ」
「それと同じでね」
「慣れるのね」
「そうなるから」 
 だからだというのだ。
「安心してね」
「やっていけばいいのね」
「出来ないと思わないで」
 それでというのだ。
「少しずつね」
「出来る様になる」
「だから続けていけばいいわ」
「アルバイトも」
「そうしていってね」
「元々辞めるつもりないし」
 大変でもだ、彩花もお金が欲しくて働いているのだ。尚お金が欲しい理由は大学に入って色々ともの入りになったからだ。
「それじゃあね」
「やっていきなさい」
「そうするわ」 
 母の言葉に頷いてだった、彩花はアルバイトをやっていった。するとだった。
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