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お母さんが握ったお握り
第一章

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               お母さんが握ったお握り
 何かあるとだった。
 母の霞はお握りを握ってくれた、藤堂貴音はっきりとした大きな目で丸顔に黒髪をセミロングにした背が高く胸の大きい高校でバスケをしている彼女はいつもそのお握りを食べていたが。
 家でだ、学校から帰った時に母に尋ねた。
「お母さん何でいつもお握り握るの?」
「お弁当いつもお握りね」
「お家でも何かあったらでしょ」
「好きだからよ」 
 母は自分そっくりの娘に答えた、ただし母の髪型はロングヘアである。
「それでよ」
「だからなの」
「そう、お母さんが好きで」
 それにというのだった。
「あんたもお父さんも好きで食べやすいでしょ」
「ええ」
 貴音もそうだと答えた。
「お握りはね」
「それで何かあるとね」
「お握りなのね」
「そうなのよ」
「そうなのね、夜食もだしね」
「そう、お握りでね」
 それを握って出してというのだ。
「出してるでしょ」
「受験の時だってね」
「大学行くでしょ」
 母は娘に問うた。
「そうするでしょ」
「ええ、そのつもりよ」
「その時の夜食もよ」
 受験勉強の時もというのだ。
「お握りよ」
「そうなのね」
「だから受験も頑張ってね」
「そうするわ」 
 母に答えた、そして弁当も夜食もだった。
 常にお握りだった、それを食べて部活も受験も頑張ってだった。
 大学に合格した、大学に合格すると一人暮らしをはじめたが。
「私もね」
「お握り握るの」
「それでコンビニとかでもね」
 貴音は母に実家に帰った時に話した。
「お握り買ってね」
「食べてるのね」
「ええ、そしてね」 
 それにというのだ。
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