暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第215話:黒衣との対峙
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「案外あっさり引き下がるんだな? 仲間がやられたってのに、仕返しの一つもしないなんて」

 奏の言葉にヴァネッサ達もワイズマンがミラアルクを放ってこの場を去るつもりである事に気付き、エルザはその事でワイズマンに抗議した。

「ミラアルクを見捨てるつもりでありますかッ!」

 思わずワイズマンに掴み掛りそうになるエルザであったが、それより早くにワイズマンが彼女の首筋に熱を発する光の刃を突き付けた。刃が直接触れている訳ではないが、それでも刃から放たれる熱と時折迸る稲妻に、エルザの細い首の肌が僅かに焼かれる。
 堪らず後ろに飛び退ったエルザを、ヴァネッサが守る様に抱きしめた。

「うっ!?」
「エルザちゃんッ!」
「まぁ落ち着け。誰も見捨てるなんて言っていないだろう? 安心しろ、ちゃ〜んと迎えには行ってやるから」
〈テレポート、ナーウ〉

 そう言ってワイズマンはヴァネッサ達を連れてその場から転移した。まだワイズマンが居た重圧感が残ったその場で、奏はゆっくりと呼吸を落ち着けながら槍の穂先を下ろす。

 直後、宣言通り戻った颯人は既にその場にワイズマンが居ない事に安堵と悔しさを感じたのだった。
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