暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第215話:黒衣との対峙
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ろうが、俯せに倒れた状態ではそれも儘ならない。
 結局オーガは、背中から縦に体を切り裂かれそのまま爆散してしまった。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 強敵オーガを仕留め、颯人は立ち上がり大きく息を吐いた。これでまたジェネシスの戦力を大きく削れたと、安堵しつつ響の方を見ればあちらも大勢は決していた。

 アマルガムを起動した響を前にヴァネッサ達は消耗した様子で膝をついている。そんな3人に響は優しく手を差し伸べていた。

「……大丈夫です。私は、私達は、あなた達を傷付けるつもりはありません」
「え……」
「だから……」

 流石にここまで追い詰められた状態になれば、こちらの話を聞く気にもなるだろう。颯人と奏がそう思っていると、突如通信機からサイレンのような音が聞こえ次の瞬間弦十郎から驚きの指示が飛んできた。

『現時刻を持って、装者達の作戦行動を中止とする……日本政府からの通達だ』

 まさかの通達、それも日本政府からのそれを聞き、装者は誰もが言葉を失った。まさか国連下部組織であるS.O.N.G.に対し、日本政府から直接行動の中止の指示が来るとは思っていなかった。これまでにも何度かS.O.N.G.の行動に日本政府が口出しをしてきた事はあったが、それでもここまで思い切った行動は予想外であった。

 この横紙破りも甚だしい事態に対し、真っ先に……と言うか唯一動いたのは颯人であった。

「ちと窮屈だろうが、我慢しろよッ!」
〈バインド、プリーズ〉

 政府からの通達に対して、颯人が真っ先に行ったのはヴァネッサ達の拘束であった。このタイミングでの日本政府の介入。恐らく政府の中に、ジェネシスないしあの3人の錬金術師と何らかの?がりがある者からの横槍の可能性がある。情報が漏洩する事を恐れての動きだろう。これ以上好き放題される前に、3人全員か最低1人でも手元に置いておきたい。何らかの情報が洩れる事を恐れる日本政府内の誰か……まぁ、考えられる人物はそう多くないが……に対して、あの3人は無視できないカードとなる。

 何より、これ以上あの3人を放置する事は危険であった。放っておけばジェネシスとは別に事態を引っ掻き回されかねない。

 懸念があるとすれば弦十郎からの指示に真っ向から反抗する形になる事だが、他2人はともかく颯人は明確にS.O.N.G.に対しては飽く迄協力者と言うスタンスを貫いている。故に厳密には彼に対して弦十郎が命令できる理由は存在せず、彼の指示を突っ撥ねる事も颯人には許されていた。

 この颯人の行動に対し、ヴァネッサ達3人は反応が遅れた。突如伸びてきた魔法の鎖を前に、3人揃って拘束され逃走を封じられる。

「あぁっ!?」
「しまった!?」
「くっ!?」

 3人は颯人の拘束から逃れて
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