暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第215話:黒衣との対峙
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ていない。ダイダロスエンドを防ぎ切った、バリアフィールドに使われているエネルギーが全て凝縮されているのだからそれも当然と言えば当然か。
このままではマズイと、ヴァネッサとエルザも響への攻撃に加わる。だが戦況は明らかに響の方へと傾いており、彼女1人でも何とかなってしまいそうな状態だった。これは響がアマルガムを起動した事で戦闘力が上がっている事に加えて、そもそもあの3人が大分消耗して十分な能力を発揮できない状態となっている事が大きかった。
ともあれ勝敗は付きそうだ。その事に安堵する奏は颯人の方はどうなったかと彼を探すと、彼女の目に何かを咀嚼するような動きを見せるオーガの姿を見た。だが肝心の颯人の姿は無い。
奏は嫌な予感を感じて、通常ギアのまま仲間の輪から出てオーガへと声を掛けた。
「おいお前ッ! 颯人はどうしたッ!」
まさかと思いながら、そんな筈はないと自身に言い聞かせつつアームドギアの切っ先を向ける。するとオーガからは、予想に反して困惑した声が返ってきた。
「……ん? あ? どこ行った?」
「え?」
タイミング的にオーガは間違いなく颯人を頭から丸呑みにしたと思っていた。だが意識してみると、体に斜めに走る口の中に何かが入った形跡はない。一体颯人は何処へ行ったのかとオーガが周囲を見渡そうとしたその時、出し抜けに光の軌跡を描きながらインフィニティースタイルの颯人が超高速で動き回りながらオーガの体を次々と斬りつけていった。
〈インフィニティー!〉
「うぐぉぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「颯人ッ!」
先程、アマルガムによりダイダロスの迷宮が内側から粉砕されそちらに一瞬意識を持っていかれた颯人。その瞬間を狙ったかのように大口を開けて迫ってきたオーガを見た瞬間、颯人は咄嗟にインフィニティースタイルの特殊能力である超高速移動をギリギリのところで発動させ、間一髪のところで難を逃れていたのである。
無事だった事に安堵する奏の傍に姿を現した颯人。彼は少しとは言え奏を心配させてしまった事を恥じてか、彼女の肩を優しくポンと叩いた。
「悪い悪い、肝を冷やさせたな?」
「全くだよ」
「あ、そう言えば魔力の心配してるんだったらもう大丈夫だ。さっきアイツから全部返されたんでな」
颯人の目眩ましの為に放たれた魔力球。攻撃として返されたそれを颯人は逆に吸収・還元して自身に戻した。それはつまり奏にも十分な魔力のリソースが得られるようになったと言う事。
試しに再び奏がウィザードギアブレイブになると、先程迷宮の中で感じていた窮屈な感じが無くなっていた。
「お、確かに」
「それじゃあ……」
「あぁっ!」
さっさとオーガを始末しよう。言葉もなく頷き合う事で互いの考えを理解しあった2人に向け、オーガは
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