黒星団-ブラックスターズ-Part11/奇怪な末路
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りな一面の連続に、そういう気も失せていた。
「まぁまぁ、折角人質の子を取り戻したんだ。余計なことしないで、このまま大人しくアニエスさんところへ行って事情を話したらどうだい?僕らも口添えするから、なんとか釈放してスカロンさんたちの元へ帰してもらえるようにするから」
ムサシは彼女たちが、人質を取られ悪事に加担させられた被害者というだけでなく、実は彼女たちもややアウトローよりな存在なのだということは察した。とはいえ、彼は元々共存不可、絶対悪とすら思われていた侵略者との対話を成功させたほどの男。最後まで分かり合えることを捨てはしなかった。下手に欲望を出すよりも、平和的解決のためにと優しく諭す。
だがブラックは、その手を取らなかった。一瞬だけ「お、おう…」と手を伸ばしかけたが、相手側の一部の者の中にウルトラマンがいるという事実を思い出して思い治し、即座にいつもの気取った態度で相対する。
「くくく…よくぞ我らの隠遁術を見破ったな」
(マントをかぶっただけじゃん)
あたかも自分の特殊能力で隠れていたのだと言ってるようなブラックの口ぶりに、心の中でサイトは突っ込むがいちいちそうするのも疲れるので口に出さなかった。
「そうだな。口惜しいがバロッサ星人バロムの盗んだものについては、諦めるとしよう。人質にされていたサツキ君もこの通り救出できたからな。なら、せめてもの礼と手打ち量として、これを君たちに託す。
サツキ君、あれを」
「は、はい」
ブラックから促され、サツキは両手を広げる。すると、彼女の前の空間に突如『穴』が出現、その中から大きめの樽が3つほど排出された。
「空間に穴を!?それにこれって…!」
サイトはその樽を見て目を見開く。
「スカロンさんの店と、我々が資金稼ぎのために開いていたカフェで提供していたコーヒーだ。これを君たちに譲渡しよう。味の方なら心配いらない。寧ろコーヒーのないこの世界でも間違いなく絶品ものだと保証しよう。」
「……確かにコーヒーの匂いだな」
シュウは、樽の中から漂ってきたほのかな苦い香りを感じて、おそらく本物なのだろうと捉える。
「だが、勘違いしてもらっては困る。我々は決してあきらめたわけではない。
地球のみならず、いずれこのハルケギニアも、我ら『ブラックスターズ』がいただく!首を洗って待っているがいい!」
「ブラックスターズ!?」
サイトは思わず声を上げた ブラックの名乗った、『ブラックスター』に聞き覚えがあったからだ。
「ではさらばだ、ウルトラマン共よ!とりゃ!」
すると、ブラックは胸元から取り出した一発の白い球を取り出し、それを目の前の地面に叩きつけた。瞬間、ブラックたちとサイトたちとの間に凄まじい量の白い煙が、濃霧のごとく立ち込めて視界を真っ白に塗り潰してしまう。
「な…煙玉!?」
「く
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