黒星団-ブラックスターズ-Part11/奇怪な末路
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口に出す。
「あっちゃぁ、さすがに怪獣さんの嗅覚まではごまかせないか」
「透明になっても、においまではごまかせないからな」
「そっか。それでヤマワラワは…でかしたぜヤマワラワ」
「ワウ!」
長袖セーターの少女、シルバと赤マントの少女ノヴァもすっかり濡れた姿で現れた。ヤマワラワは匂いでどうやら彼女たちが隠れていたことに気づいていたらしい。自分たちでは気づけなかった彼女らを看破したヤマワラワをサイトは讃える。
「それ、バロッサ星人が使ってたマントだろ?なんでわざわざ隠れてた?」
ブラックたちの足元の地面の上にべちゃべちゃになった状態で捨て置かれた、サータンの透明マントを指さす。
「これはその…そ、そう、仲間であるサツキ君の救出のため…だ。は…ハックし!」
そう答えるブラックだが、しどろもどろな口調と泳ぎまくりな目のせいで嘘がバレバレであった。ついでに全身濡らされたせいでくしゃみが出ている。
「嘘こいてんじゃないよ。その子が例の渦巻顔の亜人に操られてる間、そのマントは奴が使ってたじゃないか?あたしたちがあの亜人を国の兵に引き渡すために外に出た時に、一緒に船に乗り込んでいたあんたたちは、あいつの盗んでたものをネコババして逃げるつもりだったんだろ?そのマントが何よりの証拠さ」
かの悪名高い盗賊フーケであったマチルダだからこそ、即座にブラックたちの胸中を見抜いた。図星だったらしくブラックたちは体の冷え具合とは無関係にビクッと身が震える。
「図星のようだな」
「お、今度こそ俺の活躍の番か?」
はっきりと確信を得たシュウは、一歩も逃がすまいとブラックたちへ冷たい視線と共に地下水の刃を向けると、地下水は今度こそ恵まれた機に期待を抱く。
「もおお!だから言ったじゃないですかブラックさん!バロッサ星人が残したお宝なんて放って逃げましょうって!」
「し、仕方ないだろう!我々ブラックスターズは金欠状態なのだぞ!侵略の野望のためにも、それ以前にも日々の生活費稼ぎのためにも資金調達は免れぬことであろう!
だ、だいたいサツキ君だってつい昨日まで捕まってたではないか!
ふぁ…へ、へっくし!」
「それとこれとは話が別で…くちゅ!!」
サツキはブラックに向けて叱り飛ばす勢いで責め立てると、対するブラックは見苦しく言い訳を吐きながら、体が冷えていたこともあって、サツキ共々盛大なくしゃみをかます。
「相棒…俺ぁちと哀れに思えてきたぜ。こんな間抜けな嬢ちゃんたちに一度でも盗まれた自分をよぉ」
「言うなってデルフ。それ俺が一番自覚してるから」
デルフの愚痴に、一度はデルフを盗まれた怒りから報復を考えていたサイトも同様の思いを抱きながらも、一度はデルフの柄に触れていた手を放すのだった。もう止めを刺すとかどうしてくれようかとか、ブラックたちのところどころ抜けまく
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