黒星団-ブラックスターズ-Part10/盗人猛々しき
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二人は「す、すみません…」とタジタジになって謝るのだった。
少し微妙な空気になったところで、こほんっと咳払いをしたアンリエッタは話を戻そうとジャンボットに向けて声をかける。
「ジャンボット、私はあなたに死を与えるようなことが致しません。ましてやあなたの力はこの先の人々の未来のためにも手放すわけにはいきません。その不本意な不義について私から死を賜るおつもりならば、その力を正義のために存分に振いなさい!」
『汚名を注ぐ機会をお与えくださるその寛大なお心、痛み入ります。姫様のご用命とあらば、たとえスクラップになってでもその信頼にお応えいたします』
罪の意識以前に、アンリエッタの祖先から現代に対する強い忠誠心があってのことだろう。義憤も相まってジャンボットは俄然やる気を見せていた。
「あいつをボコるんだな?だったら俺も混ぜてくれや!」
ジャンボットに続くように、ゼロに握られているデルフも乗り気を露にする。
「いいのか?あいつお前の持ち主だろ?」
あっさり持ち主を見限るデルフに、ゼロは目を丸くする。
「なぁに。俺は元々あいつのことが気に入らなかったのさ。ひと様のものを盗んでは威張り散らしてよ。振るわれてた俺も傍でもてきたからこそ、あいつの酷さにゃ辟易してたんだ。だからどうせなら、俺が使い手だって思える野郎に出会えたら、とっととそっちに鞍替えしようって思ってたわけよ。そうしたら、お前さんと出会えたってわけだ」
デルフの発した言葉には、バロムへの深い失望と辟易、加えて嫌悪感がありありと露わであった。なんともまぁ、武器からの信頼すらも勝ち取れていないとは…と、ゼロはバロムへの呆れを感じた。
「だからよ、お前さんが俺の新しい…いや本当の相棒になってくれや。こうして握られるとよ、これまでにねぇくらいしっくり来んだ。きっとお前さんが『使い手』なんだろうな」
「『使い手』ってのはよくわかんねぇけど、俺もお前を握ってると不思議と違和感がないんだよな。わかった、一緒にあの野郎をぶちのめしに行こうぜ、デルフ!」
ゼロが、サイトが自分を使ってくれると聞いて「おうよ!」とデルフは喜んだ。
「それじゃあ会長、ここは任せていいですか?」
「ええ、ジャンボットを取り戻しあの痴れ者を追い出した今、ここでの憂いはもうありません。あの者を討ち果たしてください。
ジャンボット、彼と共に戦ってくれますか?」
『無論です。私を利用しただけでなく、これまで他者から奪い続けることを繰り返し、恥いることもしないあの無礼者を懲らしめるまで、倒れるわけにはいきませぬ!』
「では命じます。ジャンボット、彼と共にバロッサ星人を討ち果たしてください」
『承知いたしました!では若き戦士よ、共に行こう!』
「あぁ、行こうぜジャンボット、デルフ!」
アンリエッタにこの場を任せたゼロは、デル
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